薄毛・ハゲ

抗がん剤による脱毛の仕組みと薄毛対策7選

抗がん剤治療を行うことで、薄毛症状があらわれる場合があります。

がんの治療はとても苦しいです。そして、薄毛症状も患者さんにとっては深刻な問題の1つです。

抗がん剤で抜け落ちてしまった髪の毛は元に戻るか心配になる方も多いです。

そこで今回はがん治療で薄毛になってしまう仕組みと、その対策について紹介したいと思います。

がん治療による薄毛は自然治癒で回復することができるのでしょうか。

がん治療による薄毛の仕組み

 抗がん剤を使用すると薄毛になってしまう場合があります。抗がん剤と薄毛にはどのような関係が成り立っているのでしょうか。

抗がん剤で薄毛症状が現れるまでの時間

 抗がん剤は細胞分裂が早い悪性の細胞を攻撃しますが、同時に健康な細胞も攻撃してしまいます。特に毛髪を生成する毛母細胞は細胞分裂が活発なので、がん細胞と一緒に攻撃の対象になってしまいます。そして、抗がん剤を使用して「2週間から3週間」すると脱毛の症状があらわれます。

抗がん剤を使用して薄毛になる部分

 抗がん剤を使用して薄毛になる部分は頭部だけではありません。以下に抗がん剤を使用した際に脱毛する部分を示します。

・髪の毛 ・眉毛 ・まつ毛 ・手や足の毛

 体質にもよりますが、抗がん剤を使用すると髪の毛以外にも、眉毛やまつ毛なども脱毛してしまいます。また、抗がん剤の種類によっては、脱毛症状が軽度にとどまる場合もあります。

放射線治療による薄毛の仕組み

 ガン治療には「全身療法」と「局所療法」の2つに分類することができます。抗がん剤治療は、体全身のがん細胞を攻撃して治療するので全身療法に分類され、放射線治療は局所療法に分類されます。放射線治療はある特定のがん細胞を集中的に攻撃します。放射線を照射した部分が皮膚炎を発症し、毛母細胞まで傷つけてしまい、薄毛が進行します。放射線治療も抗がん剤治療と同じく2週間から3週間経過すると脱毛が進行します。

髪質が変わることがある

 自己治癒で毛髪が改善する際に、元の髪質とは違う髪の毛が生えることがあります。抗がん剤の影響で毛母細胞が弱まっており、正常な毛髪を育成できないからと考えられています。髪の毛が異常に太くなったり、癖毛になったりする方も多くいます

がん治療による薄毛の自然治癒に必要な時間

 抗がん剤治療・放射線治療をしたら、髪の毛が生えてこないと思っている方が多いようですが、時間はかかりますが自然治癒で再度髪の毛は生えてきます。抗がん剤治療・放射線治療が原因の薄毛が自然治癒で回復するまでどれくらいの時間が必要なのでしょうか。

抗がん剤による薄毛の自然治癒に必要な時間

 がんの治療に使用される抗がん剤は100種類を超えており、薄毛に与える影響も抗がん剤によって異なる場合があります。体質と薄毛の状態にもよりますが、抗がん剤が原因の薄毛の自然治癒には「1年ほど」必要だといわれています。自然治癒で薄毛が改善しない方も多くいます。

放射線治療による薄毛の自然治癒に必要な時間

 体質や薄毛の症状にもよりますが、放射線治療による薄毛の自然治癒に必要な時間は「3カ月から6カ月程」度必要だといわれています。抗がん剤による薄毛の症状よりも比較的早期に自然治癒します。しかし、自然治癒には時間がかかり、完全には薄毛が完治しない場合もあります。がん治療による薄毛はどのように対応すればよいのでしょうか。

がん治療を乗り越えるために!がん治療による薄毛対策7選

 がん治療は命に関わる厳しい戦いになります。そして薄毛の悩みと葛藤する方も大勢います。そこで、がん治療による薄毛対策をお伝えします。

その1!脱毛する前に髪の毛を短く揃えておく

 抗がん剤や放射線治療を行った後は髪の毛を短く揃えておくことをおすすめします。抗がん剤や放射線治療による脱毛は部分的に起きることが多く、脱毛する際に他の髪の毛と絡まってしまう場合があります。正常な毛髪を維持するためには、脱毛が始まる前にある程度髪の毛を短くそろえておくことよいでしょう。

その2!刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを使用する

 がんになった時のシャンプーの対処法を知らない方が意外と多いようです。抗がん剤によるがん治療を主に行っている場合は、頭皮への刺激が少ないアミノ酸系シャンプーを使用することをおすすめします。放射線治療を行っている場合は、シャンプーは使用せずに、ぬるま湯で軽く洗い流すようにしましょう。頭皮への負担をなるべく少なくすることが重要です。

その3!サングラスをかける

 抗がん剤などによるがん治療は、頭皮の毛髪以外に、眉毛やまつ毛も脱毛してしまいます。そこで、眉毛やまつ毛の脱毛を隠すために、サングラスの着用をおすすめします。サングラスは目への刺激も和らげてくれるので健康的にもおすすめのファッションアイテムです。

その4!治療前に医療用ウィッグの準備をする

 医療用ウィッグといっても様々な種類が存在します。以下に医療用ウィッグの種類を示します。

・人毛 ・人工毛 ・ミックス毛

 人工毛は自然な髪の毛を表現できるのでおすすめですが、高価なものが多いです。人工毛は価格が安いですが、摩擦などの影響を受けやすく、髪型のセットに時間がかかる場合があります。一番髪型のセットが楽で価格的にもお手頃なのが「ミックス毛の医療用ウィッグ」です。ミックス毛では、人毛が3割から4割程度入っている製品が一般的です。また、医療用ウィッグを注文する際に形状を指定するかどうかで、価格を大きく変動します。以下に医療用ウィッグのオーダーに関する相場を示します

・既製品1万円から10万円 ・セミオーダー5万円から30万円 ・フルオーダー30万円から80万円

 医療用ウィッグを注文する際にある程度髪型を指定することができます。カタログの中から選ぶ既製品は安く購入できます。カタログの中から、少しアレンジしたいセミオーダーは既製品の2倍程度の価格になることが多いです。全くゼロから自分の好きな髪型を作るフルオーダーの場合は最低でも30万円は必要になるでしょう。また、医療用ウィッグを購入する際は試着するようにしましょう。抗がん剤による脱毛は頭皮全体に及ぶ可能性が高いです。そのため、試着の際は完全に頭部の毛髪が脱毛したと思って試着をして、脱毛後のイメージをつかむことをおすすめします。

その5!爪を定期的に切る!

 爪が伸びていると、脱毛した頭皮にダイレクトにダメージを与えることになります。また、爪の中には黄色ブドウ球菌などの雑菌が繁殖しており、頭皮環境をさらに悪化させる結果になります。ですので、爪は定期的に手入れをして、頭皮にダメージを与えないようにしましょう。

その6!帽子を使用してみましょう!

 医療用ウィッグに経済的な理由で手が届かない方や、ファッションを意識している方には帽子の着用をおすすめします。キャップ以外にもスカーフやバンダナなども販売されています。帽子の利点の1つに脱毛の進行を抑えてくれる効果があります。枕や寝具に脱毛した髪の毛が付着することも防いでくれます。医療用ウィッグと一緒に帽子やバンダナなどを併用して利用するとより効果的でしょう。

その7!治療前に美容室を決めてみる

 がん治療の後も薄毛の期間は長く続きます。薄毛が改善して来ても、自分の理想的な髪型を追求するのは難しい問題です。そこで活躍してくれるのが美容室です。経験のある美容室ではがんで薄毛になった方の髪型のセットも対応しています。がん治療をする前にネットの口コミなどで、人気の美容室を探すことをおすすめします。

がん治療による薄毛の時こそQOLを考えよう!

 がん治療における薄毛治療は精神的にも大きな深手を負うことになります。そこで重要なことがQOL(クオリティオブライフ)です。がん治療の薄毛に対するクオリティオブライフの理想的な形はどのようなものなのでしょうか。

薄毛が改善できる!?クオリティオブライフとは?

 クオリティオブライフとは「生活の質」と考えてよいでしょう。いくらお金があっても家庭内に問題があれば、楽しい人生を歩むことはできませんよね。がん治療による薄毛も同じで、がん治療が成功しても、薄毛による後遺症は残ってしまいます。自分の理想とするクオリティオブライフを実現するためには、患者1人では実現することができません。様々な人の助力を得てようやく理想とするクオリティオブライフを実現することができます。

ストレス解消をすること!がん対策基本法で変わったこと

 2016年に「がん対策基本法」が成立しました。この法案のデータによると、3人に1人が治療をしながら就労することができると記述しています。しかし、職場で薄毛に関するハラスメントが起きているのも現状です。がんによる薄毛を改善するためには、ストレスを溜めないことです。がんになって初めて会社のフレックス制度を利用した方や、在宅勤務をしている方も増加しています。プライベートでも職場でもストレスをためることなく生活の質を上げることが薄毛改善に大切なことです。

がん治療後の薄毛は生活の工夫で乗り越えましょう!

 抗がん剤や放射線治療によるがん治療は、全身に脱毛症状があらわれる場合があります。しかし、患者さんと周囲の人間の助力があれば、薄毛が改善するまでの時間を有意義なものにすることができます。がん治療による薄毛に限らず、病気の合併症による薄毛の相談は、専門家である頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。

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