読みたい見出しをクリック
ストレスをため込むと薄毛になる可能性は高まります。
過剰なストレスを抱え込むことで、自己免疫疾患という病気が発症するリスクが上がる傾向にあります。
ストレスで薄毛になる要因の1つが自己免疫疾患です。
この自己免疫疾患はどのような病気なのでしょうか。
また、自己免疫疾患はどのように治療すればよいのでしょうか。
そこで今回は薄毛の原因になりえる自己免疫疾患対策を紹介したいと思います。
自己免疫疾患と薄毛の解決に必要なQOL(クオリティオブライフ)の考え方も説明します。
総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
薄毛に関わる!自己免疫疾患の症状と原因
ストレスをため込みすぎている方は自己免疫疾患に陥り、薄毛症状が現れるリスクがあります。自己免疫疾患はどのような病気なのでしょうか。
自己免疫疾患の症状
病原菌やアレルギー物質が体内に侵入すると、人間の体は異物を排除しようとします。健康な人であれば、侵入した病原菌や異物にターゲットを絞って、リンパ球が退治してくれます。そして、体が病原菌の情報をインプットして、同じ病原菌にはかからない仕組みになっています。インフルエンザなどの予防接種がそのよい例です。しかし、自己免疫疾患の患者さんは、リンパ球が異物と同時に正常な細胞までも傷つけてしまいます。このリンパ球は3つに分類することができます。以下にリンパ球の種類を示します。
・Tリンパ球 ・Bリンパ球 ・NK(ナチュラルキラー)細胞
体に病原菌が入った際、NK細胞が指揮をとり、Tリンパ球とBリンパ球で攻撃をします。自己免疫疾患ではTリンパ球が正常な細胞までも破壊してしまう症状です。具体的に自己免疫疾患にはどのような病気が含まれるのでしょうか。
自己免疫疾患に分類される病気
自分の体を病原菌から守ってくれるはずのリンパ球が、正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患には様々な病気があります。以下に自己免疫疾患の代表的な病気を示します。
・膠原病(こうげんびょう) ・リウマチ ・アトピー性皮膚炎 ・血管炎 ・バセドウ病 ・多発性筋炎 など
自己免疫疾患が関係している病気は沢山あり、頭皮環境にも悪影響を及ぼします。この自己免疫疾患は何が引き金となっているのでしょうか。
自己免疫疾患の原因
自己免疫疾患が発症する原因は解明できていないのが現状です。交通事故などが原因で自己免疫疾患を発症する人もいれば、病原菌の感染が原因で発症する人もいます。以下に自己免疫疾患に陥る可能性があるケースを示します。
・病原菌の感染 ・怪我 ・放射線の影響 ・加齢 ・ストレス
頭皮環境にも悪影響を及ぼす、自己免疫疾患はどのような治療を行うのでしょうか。
自己免疫疾患の一般的な治療法
様々な要因で発症する自己免疫疾患ですが、治療法を知らない方が多いようです。そこで、薄毛に悪影響を与える自己免疫疾患の一般的な治療法を説明します。
ステロイド治療と副作用
膠原病など、重度の自己免疫疾患の場合「ステロイド」という薬を使用して、体の炎症を抑えます。異常をきたしている免疫機能を一時的に抑制します。しかし、このステロイド治療は副作用が多く注意が必要です。以下にステロイド治療の副作用を示します。
・易感染症 ・血栓症 ・骨粗しょう症 ・動脈硬化 ・糖尿病
ステロイドを使用すると体の免疫機能が低下するので、感染症にかかりやすくなります。他の治療法も進んでいますが、現状では重度の自己免疫疾患はステロイドを使用する場合が多いです。さて、この自己免疫疾患は頭皮環境にどのような影響を与えるのでしょうか。
自己免疫疾患が原因で発症する薄毛症状と治療法
自己免疫疾患は薄毛にも直結する病気です。自己免疫疾患を発症するとどのような薄毛症状があらわれるのでしょうか。自己免疫疾患が原因の薄毛症状と治療法を紹介します。
自己免疫疾患で円形脱毛症に!
自己免疫疾患になると発症する代表的な薄毛症状が「円形脱毛症」です。円形脱毛症は自分では気づきにくい薄毛症状の1つです。自分でも気づかないうちに自己免疫疾患になり、円形脱毛症を発症するケースが多いです。この円形脱毛症は、脱毛する範囲によって、6種類に分類することができます。円形脱毛症の症状の種類を紹介します。
単発型 頭部に10円玉程度の範囲の脱毛がおきます。円形脱毛症のなかで最も多い症状です。症状が軽度の場合は自然に治ることもあります。
多発型 頭部に10円玉程度の脱毛が2カ所以上現れる症状です。多発型になると、自然治癒での症状改善には時間がかかる場合があります。
多発融合型 多発型の脱毛部分が重なり、広範囲にわたり脱毛症状が現れます。多発融合型になると自然治癒での薄毛改善は困難になります。
蛇行型 後頭部と側頭部の生え際から帯状に脱毛する薄毛症状です。脱毛した頭皮が、蛇が蛇行したように見えるので蛇行型と呼ばれています。多発型や多発融合型が悪化することで蛇行型になる場合があります。ここまで脱毛が悪化すると、自然治癒での回復の見込みはすくないでしょう。
全頭型 頭部全体の毛髪が脱毛する症状です。多発型や多発融合型を放置していると、全頭型まで悪化する可能性があります。全頭型の治療には時間がかかる場合が多いです。
汎発型 頭部と頭部以外の毛髪が抜け落ちる症状です。汎発型では全身の毛が全て抜け落ちるケースもあります。
単発型や多発型を「ただの十円ハゲだからそのうち治るだろう!」と考えていると、頭部全体に及ぶ蛇行型や全頭型に悪化する危険性があります。円形脱毛症が見つかったら、早期治療することをおすすめします。この円形脱毛症ではどのような治療を行うのでしょうか。
円形脱毛症の治療法
円形脱毛症ではAGA(男性型脱毛症)とは異なる治療法を行います。「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010」で推奨されている治療法を以下に示します。
・ステロイド局注 ・局所免疫治療
以上2つの治療法は、ガイドラインで推奨B「行うように勧められる」に分類されており、円形脱毛症の治療に期待できます。
ステロイド局注 ステロイド局注療法は単発型や多発型の患者さんに行う場合が多いです。ステロイドを患部に直接注射器で注入して、免疫機能を抑制することで脱毛を改善する治療法です。このステロイドは薄毛改善に期待できますが、副作用の影響も大きく、子供に対してステロイド局注を行うことはできません。
局所免疫療法 局所免疫療法は、患部に試薬「SADE」「DCPC」を塗布して意図的にかぶれをおこし、免疫機能を抑制します。局所免疫療法の優れている点は副作用が少ないことです。局所免疫療法は子供にも行うことができる治療法です。実績のある頭髪専門クリニックでは局所免疫療法を積極的に取り入れています。局所免疫療法は日本でまだ保険が適用されない自費治療ですが、世界的に結果を出している非常に有効な治療法の1つです。
円形脱毛症は放置していると、脱毛の範囲が広がる可能性があるので、早期に頭髪専門クリニックで治療することをおすすめします。この円形脱毛症の原因となる自己免疫疾患は未然に防ぐことができないのでしょうか。
局所免疫療法の効果、治療方法、向いていない症例について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
円形脱毛症予防に!自己免疫疾患対策
円形脱毛症は突発的に発症する症状であり、気づかないうちに薄毛症状の原因となる自己免疫疾患にかかっている場合があります。円形脱毛症の引き金になる自己免疫疾患はある程度予防できます。そこで自己免疫疾患対策を紹介します。
自己免疫疾患対策その1「QOL(クオリティオブライフ)」
円形脱毛症の原因の1つになるのがストレスです。ストレスは誰でもため込んでしまうものであり、そして、誰でも自己免疫疾患になる可能性があります。日々ストレスを抱え込んでしまっている方はQOL(クオリティオブライフ)を実践してみることをおすすめします。クオリティオブライフとは「ストレスを減らして幸福度(自分らしさ)を上げる生活」と解釈してよいでしょう。ストレスの原因を突き詰め、自分の幸せを考えて生活することで、円形脱毛症のリスクは大幅に下がることでしょう。薄毛治療に限らず、病気の治療は手術やお薬だけで全て解決するとは限りません。治療前・治療中・治療後の「生活の質」を向上させることがとても重要です。生活の質を向上させるということは決して贅沢な暮らしをするということではありません。病気と上手に付き合い、日々の生活に生きがいを見出す取り組みのことです。
自己免疫疾患対策その2「自覚のないストレスを突き止める」
軽度な円形脱毛症は自覚できるストレスを解消することで、症状も改善に向かっていくことが多いです。しかし、問題は本人も自覚できないほどのストレスを抱えている場合です。過度なストレスが当たり前になっている状態です。脱毛が重症な人ほど、ストレスの自覚がない傾向にあります。以下に自覚症状がないストレスのケースをしょうかいします。
・育児中の母親 ・子供のいじめ ・仕事の疲れ
育児中の母親は、育児は母親が行うべき当然の行為だと認識しているので、ストレスではなく責任と認識する傾向にあります。また、子供のいじめ問題も深刻です。性格がおとなしく親の言いつけをしっかりと守る子供は自分からいじめの辛さを打ち明けることが難しいです。いじめはしょうがないことだと認識するリスクもあります。自覚のないストレスを自分で探すことは非常に困難です。このような時は頭髪専門クリニックのカウンセラーや医師に相談することをおすすめします。
自己免疫疾患対策その3「ビタミンとカルシウムを摂取」
食事と円形脱毛症には因果関係は認められません。しかし、自己免疫疾患対策の一環として、体の免疫力を向上させる食事はとても重要です。特にビタミンCやカルシウムは、免疫力の向上に期待できます。毎日の食事をコンビニのお弁当で済ませている人は、ビタミンやカルシウムを多く含んでいる果物や乳製品を積極的に摂取するようにしましょう。
自己免疫疾患対策その4「楽しく有酸素運動を行う」
免疫力の向上に効果があるのが有酸素運動です。有酸素運動はAGAにも効果的な対策の1つです。毎日無理のない程度の運動はストレス発散にもなります。有酸素運動で効果が得らえる目安は「継続したウォーキング20分程度」です。ストレスを溜めずに、楽しく有酸素運動を取り入れることが大事です。趣味で社交ダンスをして汗を流してもよいですし、カメラを持って、美しい風景を撮影するのもよいでしょう。
自己免疫疾患対策その5「毎日しっかり入浴する」
入浴することで血流がよくなり、ストレスも解消されます。仕事や家事で毎日忙しくしている方も、入浴時間はしっかりと確保するようにしましょう。就寝前にお風呂に入ると睡眠もよくとれ、成長ホルモンが分泌され、AGA対策にもなります。
生活の質を向上して薄毛に負けない免疫力を身につけましょう
円形脱毛症を防ぐには、生活の質を向上させる必要がありそうですね。生活の質を上げるには家族の理解やコミュニケーションなども重要になります。ストレスを抱え円形脱毛症で悩んでいる方は、実績のある頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。