この記事で説明する内容は?
育毛剤と聞くと男性が使用するイメージがありますが、最近は女性の方も育毛剤を使用するケースが増えてきています。
育毛剤を選ぶ基準として、育毛効果を重視する方もいますが、副作用のリスクもきちんと理解する必要があります。
女性は男性よりも体調の波が激しいので、育毛剤の副作用には十分注意しなければなりません。
そこで今回は、女性が育毛剤を使用する際の注意点を5つ紹介します。
総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
育毛剤では薄毛は治らない!?育毛剤と医薬品の違い
育毛剤を使用して、薄毛が悪化してしまう方がいます。育毛剤と頭髪専門クリニックで処方される薬には明確な違いがあります。育毛剤と医薬品とでは何が異なるのでしょうか。
医薬品と医薬部外品の違い
ドラックストアなどで販売されている育毛剤は「医薬部外品」に当てはまります。一方、頭髪専門クリニックで処方される薬は「医薬品」に分類されます。医薬品と医薬部外品とではどのような違いがあるのでしょうか。
医薬品の目的
頭髪専門クリニックで処方される「プロペシア」「デュタステリド」などは医薬品に分類されます。医薬品は厚生労働省が疾患の治療に効果があると認められた成分が配合されたもので「病気の治療が目的」です。頭髪専門クリニックで処方される薄毛治療薬は、薄毛の治療を目的としています。医薬部外品はどのような目的があるのでしょうか。
医薬部外品の目的
ドラックストアで購入できる医薬部外品は厚生労働省が疾患の改善に効果があると認められた成分が「一定量配合」されているものです。医薬部外品は「病気の予防・健康維持」が目的です。医薬部外品の育毛剤は、薄毛の進行を遅らせる程度と考えてよいでしょう。医薬部外品の育毛剤は薄毛の治療目的で製造・販売されていないということです。
女性向け育毛剤の効果とは
女性向けの育毛剤と男性向けの育毛剤の成分にはどのような違いがあるのでしょうか。女性向けの育毛剤の成分と効果を紹介します。
男性向け育毛剤の成分と効果
市販の男性向け育毛剤にはどのような成分が含まれているのでしょうか。男性向け育毛剤に使用されている成分を示します。
・ミノキシジル ・デュタステリド ・塩化カルプロニウム
ミノキシジル
ミノキシジルは血管拡張効果があります。頭髪専門クリニックで処方されるお薬の1つです。頭皮環境クリニックでもミノキシジルを処方しますが、育毛剤とは効果が異なります。ミノキシジル配合の育毛剤で劇的に頭皮環境を改善することは難しいでしょう。日本ではミノキシジル外用薬が知られています。使用方法は主に外用で、直接頭皮に塗布します。市販で買える外用薬(発毛剤)としては「リアップ」や「ロゲイン」が有名です。
デュタステリド
デュタステリドは男性ホルモンを抑制する効果があります。デュタステリドも頭髪専門クリニックで処方されるお薬です。デュタステリドを配合している育毛剤を使用しても、根本的な薄毛治療にはならないので注意が必要です。
塩化カルプロニウム
塩化カルプロニウムはミノキシジルと同様に、血管の拡張効果があります。血液の循環を改善する効果があります。また、塩化カルプロニウムには胃腸の環境を整える目的で使用される場合もあります。
男性向けの育毛剤では頭髪専門クリニックで処方される成分が配合されている場合が多いです。一方、女性向けの育毛剤にはどのような成分が配合されているのでしょうか。
女性向け育毛剤の成分と効果
女性の薄毛の原因は男性とは異なる場合があります。よって、育毛剤の成分も男性向けの育毛剤とは異なります。以下に女性向け育毛剤に含まれている主な成分を示します。
・センブリエキス ・ヒノキチオール ・アスタキサンチン ・プラセンタ ・β-グリチルレチン酸 ・ミノキシジル
センブリエキス
センブリエキスは漢方の一種で、血行促進に期待できます。センブリエキスは、女性向け育毛剤の多くに含まれています。
ヒノキチオール
抗菌効果が期待できる成分です。フケや痒みを予防してくれます。ヒノキチオールも女性向け育毛剤によく使用される成分の1つです。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは白髪の予防効果があるといわれています。アスタキサンチンには抗酸化作用があるといわれており、メラニン色素の生成をサポートしてくれます。
プラセンタ
プラセンタにはホルモンバランスを整える効果があります。特に馬プラセンタは効果が高く、疲労回復や美肌効果も期待できます。今注目されている育毛成分です。
β-グリチルレチン酸
頭皮の炎症を抑えてくれる成分です。頭皮環境を整え、フケの予防にも期待できます。育毛剤によく使用される成分の1つです。
ミノキシジル
ミノキシジルは血管拡張効果があり、頭皮の血行促進効果があります。男性向けの育毛剤にも含まれている成分です。
以上で紹介した成分以外にも、女性向けの育毛剤にはいろいろな成分が含まれています。しかし、女性向けの育毛剤にも副作用のリスクはあります。女性向けの育毛剤を使用する際にはどのような点に注意すればよいのでしょう。
女性向けの育毛剤を使用する際の5つの注意点
女性向けの育毛剤は種類が多く、副作用が発症するリスクも伴います。そこで女性向けの育毛剤を使用する際の注意点を紹介します。
その1!自己判断で育毛剤は選ばない
医薬部外品の育毛剤は医薬品よりも副作用の症状が軽いといわれていますが、それは危険な考え方です。市販の育毛剤には、育毛成分以外にも、いろいろな化学物質が配合されている場合が多いです。ネットで評判の育毛剤に安易に手を出して、体調を崩すケースもあります。アレルギー体質の方は医師に相談してから、育毛剤を選ぶようにするとよいでしょう。
その2!妊娠中は育毛剤を使用しない
妊娠中は育毛剤の使用を避けたほうがよいでしょう。天然由来の成分が配合された安全な育毛剤でも100%胎児に影響がでないとは限りません。妊娠中に育毛剤を使用したい方は、メーカーに安全性を問い合わせてから使用するようにしましょう。妊娠中の育毛剤の使用は控えたほうがよいでしょう。
その3!外国製の育毛剤の使用は避ける
外国製の育毛剤の使用はおすすめできません。海外の育毛剤は日本人向けに開発されてはいません。強い副作用があらわれ、体調を崩して、頭皮環境も悪化してしまったという方も多いようです。また、ネットで購入した輸入品の育毛剤で健康被害に陥った場合「全て自己責任」となります。輸入品の育毛剤・薄毛治療薬に安易に手を出すのはとても危険な行為なので注意しましょう。
その4!高濃度ミノキシジル配合育毛剤の使用は控える
血管拡張効果があるミノキシジル配合の育毛剤は、濃度に着目してください。ミノキシジル配合の育毛剤は「5%」「3%」「1%」の3つの濃度があります。日本皮膚科学会では女性のミノキシジルは「1%を推奨」しています。高い濃度のミノキシジルを使用すると、頭皮に炎症が起きてしまい、薄毛が悪化する危険性があります。ミノキシジル配合の育毛剤を使用する際は、濃度1%の製品を使用するようにしましょう。
その5!育毛剤を使用する前に頭皮の写真を撮っておく
育毛剤を使用する前に、頭皮の写真を撮っておくとよいでしょう。皮膚科や頭髪専門クリニックで副作用の相談をする際の大事な判断材料になります。また、育毛剤を使用する前の健康状態も日記につけておくと、スムーズに治療を行うことができます。副作用の影響が少ないからといって、適当に育毛剤を使用すると、大きな薄毛症状につながりかねません。育毛剤を使用する前の健康状態をしっかりと把握することが大事です。
女性向けの育毛剤を使用する際は頭髪専門クリニックに相談!
育毛成分の濃度が薄い、医薬部外品の育毛剤でも、副作用があらわれるリスクはあります。気軽にネット通販で購入した育毛剤を使用して、体調を崩したという方も多いです。頭髪専門クリニックでも女性向けの育毛剤を販売しています。女性の方で、育毛剤の購入を検討している方は、頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。