薄毛の治療

育毛剤に含まれる効果成分を全部解説

薄毛などが気になってきたあなたにとっての強い味方、育毛剤に今多く含まれている成分を知っていますか?

盛んにCMで見る製品の中にも含まれる「ミノキシジル」や「フィナステリド」などは、関心のある方ならご存知ですよね。

ここでは、それら育毛に役立つ各成分の効用や使用に当たっての注意点などをご紹介しましょう。

この記事は大阪AGA加藤クリニック加藤健太郎医師の監修で制作されています。

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亜鉛

概要

 人体には必須の成分の一つで、欠乏すれば味覚障害や貧血、皮膚炎、免疫力の低下などいろいろな病症を招きます。多く摂取すれば免疫活性化や新陳代謝の向上が図れますが、正常以上に働きを高めるものではありません。

効果効能

① 髪の毛生成の元になるケラチンを合成します。 ② 薄毛の原因物質ジヒドロテストステロン(DHT)の生成要素の1つの5αリダクターゼという酵素の生成を阻害します。ただ、フィナステリドやノコギリヤシと比べると、効果は限定的で、過剰摂取すると、かえって身体にダメージを与える可能性があります。

注意点

普段の食事で自然に摂取できる成分なので、育毛目的でサプリメントなどを常用すると、体内での化学反応のせいで、鉄や銅の欠乏症を招き、ミネラルバランスを崩す結果になります。免疫力の低下を心配するなら、10~20mg程度に抑えた方が良いでしょう。

アロエエキス

概要

観葉植物としても人気のアロエから抽出したエキスです。

効果効能

アロエに含まれるアロインが男性型脱毛の抑制に効果があるとされ、基本的には頭皮マッサージを行いながら塗布しますが、焼酎で割ってアロエ酒として楽しむ方法でも、同様の効果が得られると云われています。

注意点

ホルモンに直接影響のある成分ではなく、一般食品として広く用いられているので、特に心配はありません。

イソフラボン

概要

大豆などの豆植物の芽に多く含まれるポリフェノールと呼ばれる成分の一種です。体内でエストロゲン(女性ホルモン)と同じ働きをするので、育毛・発毛効果以外にも、更年期障害の緩和やアンチエイジング効果もあると云われます。

効果効能

イソフラボンを服用することで、頭髪を濃くする性質のある女性ホルモンを意図的に体内に増やすことになります。

併用効果

カプサイシンが頭皮の血行を促進させる効果、イソフラボンがホルモンバランスを変える効果と、それぞれの別領域で育毛効果が見られます。

注意点

女性ホルモンを増やすと云うことは、男性ホルモンとの割合を減らすことなので、男性生殖活動に影響があります。継続的な服用には用量に注意が必要です。

イチョウ葉エキス

概要

銀杏の葉から有効成分を抽出したエキスで、特に「フラボノイド」の抗酸化作用と、イチョウ葉特有成分の「ギンコライド」がポイントです。ギンコライドには血流改善作用があり、高血圧や動脈硬化予防や脳血流の改善、アルツハイマーの改善に役立つと云われています。

効果効能

頭皮が酸化することで、通常の脱毛・発毛サイクル以上に脱毛が増えたり、発毛が遅くなります。フラボノイドの抗酸化作用で健康的な頭皮を維持できます。頭皮が活発に細胞分裂を繰り返すのは発毛や毛を伸ばすためですが、そのためには栄養素を含んだ血液の血流状態が大変重要です。血行が悪ければ、細胞分裂が起こりにくく、発毛不足につながるので、ギンコライドによる血行促進は育毛面でも、とても有効になります。

注意点

稀に、胃腸障害、頭痛、アレルギー性皮膚炎、鼻炎になることがありますが、用量に注意して、1日の摂取量120~240mgを守れば問題はありません。

L-リジン

概要

L-リジンはL-リシン、リシンと呼ばれる、動物性たんぱく質に豊富に含まれる必須アミノ酸の一種で、中でも不足し易いものです。リシンはカルシウムの吸収率を良くして骨を丈夫にしますが、欠乏すると成長障害や骨粗しょう症を引き起こします。

効果効能

① 髪の毛はケラチンとアミノ酸から構成され、アミノ酸はたんぱく質を体内で分解することで生成されるため、たんぱく質の摂取は発毛にとっても重要になります。植物性より動物性たんぱく質の方が分解されやすいのですが、同時に脂肪も摂取することになります。脂肪は5αリダクターゼと云う脱毛原因のホルモンを生成する働きがあるので、L-リジンのサプリメントを服用する場合は5αリダクターゼ阻害剤との併用が効果的になります。 ② メカニズムはわかりませんが、発毛成分のミノキシジルとフィナステリドの体内吸収率を高めます。

注意点

1日推奨摂取量は2.1gとWHOは提唱しているので、その範囲内の服用が望ましいです。妊娠中・授乳中の服用は避けた方が良いでしょう。

オウゴンエキス

概要

コガネバナと云う植物の根を乾燥させたオウゴンから抽出したエキスで、漢方でも重用されています。頭痛、腹痛、嘔吐、下痢、胃炎、腸炎に効果があると云われ、近年はアンチエイジング効果も注目されています。

効果効能

脱毛原因となる男性ホルモンを生み出す5αリダクターゼの生成を抑えます。名前で謳うほどの効果はなく、効果で云うならば、フィナステリドの方が優れています。

注意点

自然・天然成分とは言え副作用の心配がないとは限らず、男性ホルモン抑制の効果がある以上、生殖機能の減退は避けられないことに留意しましょう。

オランダカラシ

概要

オランダカラシは、クレソンやミズガラシと呼ばれ、水中や湿地帯に生息する植物です。ワサビなどと同様、抗菌性の辛味成分を含みます。食用以外に保温や肌に良い栄養素を含むことから化粧品の成分としても使われます。薬効としては、食欲促進、高血圧防止、ウィルス性鼻炎の予防、口臭防止などがあります。

効果効能

エキスに含まれるシニグリン(ミロン酸カリウム)と云う抗菌性辛味成分が頭皮を刺激して、血行を促進します。また肌の潤いを謳い文句にしたクレソン石鹸と云った商品があるように、オランダカラシには強い保湿作用があります。

注意点

自然成分ですから副作用の心配はありませんが、刺激成分ではあるので、この成分の含まれた商品の摂取には、定められた用量を守りましょう。

カプサイシン

概要

カプサイシンは唐辛子(チンキ)に含まれる、食べた時にピリリとする感覚の辛味成分です。

効果効能

元々は体内の血行を促進し新陳代謝を高めると云うことで、ダイエット用サプリメントなどで使用されていました。近年、頭皮の血行促進効果に注目され、育毛・発毛にも一定の効果が認められると、育毛用サプリメントなどにも含まれることが多くなりました。

注意点

唐辛子の大量服用は消化器官などに大きな負担となり、体にダメージを与える可能性があります。頭皮の血行を良くする育毛成分は、センブリエキスやアルガンオイルと云った頭皮に直接塗る自然成分もあるので、バランスを考えて併用しましょう。カプサイシンは頭皮に直接塗ることでも一定の血行促進効果が得られますが、同時に頭皮に強い刺激を与えてダメージの心配もあるので、やはり口腔摂取の方が良いでしょう。

クエン酸

概要

レモンやオレンジなどの柑橘類、梅干しなどに含まれる酸味成分で、疲労の元になる体内の乳酸を燃焼させて疲労回復する効果で有名ですね。また、抗酸化作用で肌細胞の酸化を防いで美肌、アンチエイジング効果の成分として注目されています。

効果効能

頭皮に対する抗酸化作用で、かゆみや荒れを防ぎ、頭皮の嫌な臭いも抑えます。頭皮の血行を促進するので、毛母細胞に栄養を送り、毛髪成長の活性化を促します。

注意点

直接的な副作用はありませんが、過剰な口腔摂取は胃腸への負担をかけ、下痢などを招くので、1日2~5g程度を心掛けましょう。頭皮に塗布して、かゆみやかぶれなど、肌に合わないと感じた場合は使用に注意しましょう。

クコの実

概要

中国原産の植物クコになる果実で、ドライフルーツとして食されますが、薬用としては精力増強や血圧・血糖値を下げる効果、眼精疲労や足腰の痛み回復、さらに老化防止の効果もあると云われています。

効果効能

クコの実に含まれるゲルマニウムは頭皮の新陳代謝を高める効能があります。新陳代謝を高め頭皮サイクルを早めることで、頭皮の老化と毛根の汚れや老廃物の溜まるのを防ぎます。ただし、強い増毛効果を期待することは難しいでしょう。保温などと合わせて、育毛活動全体の一つの成分として認識してください。

ショウキョウエキス

概要

あなたが日常食べている生姜から抽出されるショウキョウエキスには、頭皮に限らず髪の毛やお肌にも有効で、基礎化粧品やコンディショナーなど広く使われています。それ以外にも、冷え性の改善や血行促進、ダイエットなど健康面での効果でも有名です。

効果効能

辛味成分のジンゲロールは血管を拡張させて血流を良くする働きがあるので、頭皮の血行を促進します。また、ジンゲロールとショウガオール成分には頭皮の活性酸素を抑制するので、かゆみや湿疹を防ぎます。その他にも、頭皮や毛髪の保湿、フケやかゆみを防ぐ抗菌作用など育毛面では多くの効果があります。これらの効果は口腔摂取でも、直接皮膚に塗布し吸収しても得られます。また、メントールの効果持続目的として、トニック系の育毛剤にも配合されているようです。

注意点

健康に良い食べ物ですから、副作用の心配はありませんが、ショウガそのものを食べる場合は、1日10g程度に抑えて胃腸への負担を減らした方が良いでしょう。

センブリエキス

概要

リンドウ科センブリ属の薬草センブリから抽出されるエキスで、胃腸虚弱・下痢・腹痛・脱毛の症状に効果があり漢方薬として、古来より珍重されて来ました。最近は血行促進効果が注目され、育毛剤・育毛シャンプーなどにセンブリエキスを採用する商品が増えています。センブリの乾燥品は法律上、医薬品として扱われるほど、体に効果・影響が認められています。

効果効能

センブリに含まれるスエルチアマリンなどの成分が頭皮に浸透して血行を促進させます。毛髪の元である毛母細胞に栄養を運ぶ血液の流れが良いほど、毛髪を成長させ、余計な脱毛を防ぐことが出来る訳です。

注意点

頭皮への塗布には、副作用などの注意するべき点はありません。頭皮環境を整える働きと云うことで、女性や妊婦さんにも使用可能な成分と云えます。

ニコチン酸アミド(ナイアシン)

概要

ナイアシン、またはビタミンB3と呼ばれるニコチン酸の化合物です。たばこのニコチンと云えば悪いイメージですが、ニコチン酸は別物で、皮膚の正常化や血中コレステロールの低下、血行促進に寄与します。

効果効能

ニコチン酸アミドには毛細血管を拡張させ、血流を良くして、毛母細胞に栄養素の供給を高め、活性化させて毛髪サイクルの改善に繋げます。

注意点

1日の摂取上限の100mgを越えると、一時的に皮膚の紅潮や湿疹、かゆみが発生する場合があり、慢性的な過剰摂取を続けると、消化器官系に悪影響を及ぼすようです。

ニンジンエキス(オタネニンジン根エキス)

概要

高麗人参と呼ばれるもののエキスを抽出したものです。

効果効能

漢方でも他の漢方の薬功を高める働きから広く使われ、抗酸化作用を高めるとして、シャンプーや育毛剤で補佐的に使用されることが多いようです。

注意点

過剰摂取や長期摂取には副作用として、不眠症や頭痛、動悸、高血圧などが挙げられます。サプリメントなどに含まれる場合は、摂取量1日5g以上の服用は避けましょう。シャンプーや育毛剤のように直接頭皮に塗布する場合は、気にしなくても良いでしょう。

ニンニクエキス

概要

一般的に疲労回復や冷え性改善などで知られますが、育毛成分としても一定の効果があります。

効果効能

ニンニクエキスに含まれる成分で、アリシンはニンニク臭の元であり、スコルジンは疲労回復や高血圧に役立ちます。そして、有機ゲルマニウムが多様な育毛効果を示し、主に以下の4つの効果が挙げられます。 ① 毛穴の洗浄 特に効果が期待され、最近ではヘッドスパなどで、ニンニクエキスを使った高い洗浄能力が注目されています。 ② 血行促進の効果 ③ 頭皮の抗酸化 ④ フケ、かゆみの防止

注意点

ニンニクエキスは体内に残らない成分なので、用量を大幅に超えた服用さえしなければ、健康面に問題はありません。

ノコギリヤシ(ソーパルメットエキス)

概要

ヤシの1種で、発毛効果以外にも前立腺肥大症の治療薬、尿漏れ・頻尿の緩和があるとして医学的に研究が進められている自然成分です。

効果効能

男性ホルモンは体内にある薄毛の原因物質のジヒドロテストステロン(DHT)に変換されますが、ノコギリヤシはこれを抑制します。育毛成分の中でも、発毛効果が高い植物成分と云われています。

注意点

① 生殖機能の減退 ② ホルモンバランスを崩すので、妊娠中の女性の服用はNGです。 ③ 摂取期間終了後は、抑制されていた男性ホルモンが噴出することもあるので、体質によっては延々と服用を続ける必要があります。

フィナステリド

概要

元は前立腺肥大の治療のために開発され、AGA(男性型脱毛)への効果が認められて、90年代後半から世界中で脱毛症治療薬として販売されています。

効果効能

AGA(男性型脱毛)への強い効果が認められ、パルテノライドなどと類似していますが、中でも特に効果幅が大きいと云われます。

併用効果

ミノキシジルとの併用効果が高いと云われますが、根拠となる研究やデータは特にないようです。ミノキシジルが毛母細胞にアプローチする発毛効果であり、フィナステリドが脱毛の原因となる酵素の抑制と云うふうに、互いの役割が異なることで相乗効果を生んでいると云えます。 L-リジンの服用は、髪の毛の根幹的成分である動物性たんぱく質の摂取となり、フィナステリドの体内吸収率を高めますが、同時に脂肪摂取によって薄毛に大きく関与する酵素である5αリダクターゼを生成してしまいます。フィナステリドを併用すれば5αリダクターゼを阻害することが出来ます。

注意点

主な副作用として、性欲減退・性機能障害が挙げられ、胃痛・腹痛・下痢・頭痛の恐れもあります。元々、女性には全く服用効果はありませんが、胎児に影響があるので妊娠中の女性の服用はNGになっています。

プラセンタエキス

概要

胎盤から抽出された栄養素のプラセンタエキスは近年、美容や医療、更年期障害・腎臓疾患からシミやたるみの防止・アンチエイジングまで幅広く活用され、育毛分野でも関心が高まっています。

効果効能

① 末梢血流増量効果と云って、頭皮の循環血液量が増えることで細胞分裂が活性化し、毛母細胞に栄養がより多く行き渡り、発毛につなげます。 ② 男性ホルモンが過剰に分泌されることで、ホルモンバランスが崩れて、抜け毛や肌がボロボロになるのを、プラセンタはホルモンバランスを整えることで回復します。

注意点

副作用と呼ばれるものはありませんが、摂取後、むくみや腹痛・眠気などが起こることがあるので、用量には注意しましょう。

ホホバオイル

概要

ホホバはアメリカ南西部やメキシコ、オーストラリアなどの砂漠に生息する多年草の植物です。その実から抽出されたエキスは、高い保湿性と紫外線遮断効果などで肌にとって多くの効果を示し、皮膚への浸透力も優れ、育毛以外でもスキンケア商品や化粧品としてよく使われる成分です。ホホバオイルに含まれるワックスエステルという成分でほぼ100%構成され、肌への異物混入を防ぐ一方、肌の水分消失を防ぐ効果があります。

効果効能

頭皮の保湿、抗菌作用、酸化防止、血行促進、頭皮に塗布してマッサージすると毛穴の皮脂を除去できるなど、効果は多くありますが、保温効果以外は補助成分で育毛剤やシャンプーの主要成分に使われることはありません。

注意点

自然植物成分だから副作用の危険性はありませんが、アレルギー反応を引き起こすこともあるので、肌荒れや刺激・違和感を感じた場合は皮膚科に相談してみてください。

ミノキシジル

概要

元は高血圧用の血管拡張剤でしたが、副作用として全身の毛が増える症状が頻繁に起きたことで、頭皮発毛への有効性が認められ、今では育毛・発毛目的の成分として有名になりました。

効果効能

毛母細胞を活性化させ、頭髪の発毛・成長を促すのに強い効果があります。ただ、その具体的なメカニズムは判明していません。効果の範囲は、AGAと呼ばれる頭頂部の薄毛タイプのみに限定され、M字型などのような生え際の後退には効果がないという特性があります。

併用効果

ミノキシジルは毛母細胞での発毛効果であり、フィナステリドは脱毛の原因となる酵素の抑制にあります。つまり、各々の役割が異なるため互いの効果を干渉しないので、個々の効果を十分に発揮できるということになります。互いに効果を高め合う訳ではないので、体質的にフィナステリドが合わない場合は、類似効果のあるノコギリヤシやオウゴンエキスなどと代替しても差し支えありません。

注意点

ミノキシジルが含まれる育毛製品には頭皮に直接塗布するものと、タブレットで服用するものがありますが、いずれでも効果は認められています。服用の方が効果が大きいのですが、その分副作用も強くなります。塗布の場合も被れが心配されます。 【副作用のポイント】 ① 元々高血圧用の薬ですから、血管拡張による血圧の変化が心臓への負担をかけます。 ② 特にタブレット使用によって、全身の毛母細胞が活性化し、望まなくてもすね毛や胸毛、髭など全身の毛が濃くなる場合があります。 ③ ホルモンバランスに何らかの影響を受けるからと考えられますが、臨床試験の結果からも性欲減退が認められています。女性、特に妊婦の方は服用を避けた方がよいでしょう。 ④ 服用期間中に髪の毛が増えたのに、服用を止めると途端に増えた髪の毛が一気に抜けることがある一方、全く変化がなかったケースもあるなど、人によって差があるのが現実です。 これら以外に頭痛や発疹、眠気などもあり、効果が大きい分多くの副作用が心配される育毛成分ですから、あなたの体質に合うかを見極めた上で、用法用量を守って服用するよう心掛けてください。

いかがでしたか、 薄毛などの強い味方、育毛に役立つ自然成分って、意外とたくさんありますね。 それらの効用や注意点などを理解した上で、賢くご使用ください。