
AGA(男性型脱毛症)治療を考えている方々にとって、副作用は大きな懸念事項でしょう。「副作用なんて大したことない」と思われがちですが、実際には性欲低下や低血圧、頭皮の炎症など、多くのリスクが存在します。
AGA治療には多くの方法が存在しますが、その中で一般的に使用される治療薬には必ずと言っていいほど副作用が存在します。でも、全ての副作用に対応策があります。
この記事では、AGA治療薬の一般的な副作用とその対処法、さらには長期的な影響について詳しく解説します。記事を読むことで、副作用のリスクを最小限に抑えつつ、効果的な治療を受けるための第一歩を踏み出すことができます。何か疑問や心配があれば、専門医に気軽に相談することも重要です。
AGAによる進行薄毛の症状・原因・対策については以下の記事でまとめています。
この記事は大阪AGA加藤クリニック加藤健太郎医師の監修で制作されています。
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AGA治療薬の服用で注意すべき副作用
多くの人が誤解している点として、副作用は避けられないものだと思われがちですが、それは必ずしも真実ではありません。症状、体質、使用する薬によって、副作用の程度は大きく異なる可能性があります。
起こりやすい副作用について説明します。以上の症状が出た場合は、まずは専門医と相談し、症状や治療計画についてしっかりと話し合うようにしてください。これが最も安全かつ効果的な治療につながります。
性欲低下
フィナステリド(プロペシア)は、男性ホルモンであるテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素5α-リダクターゼを阻害します。結果としてDHTの量が減少します。
DHTは性欲に直接的な影響を与えるホルモンでもあります。DHTの量が減少する結果、一部の男性では性欲が低下する可能性があります。
フィナステリド(プロペシア)では、勃起障害や射精量の減少などが報告されています。AGA治療が、必ず性機能に影響を及ぼすわけではありません。副作用は個人差があります。
対策として、まずは医師と相談することが重要です。医師は服用量を調整したり、フィナステリド以外の治療法を提案したりできます。例えば、ミノキシジルは性欲にほとんど影響を与えないため、これが一つの選択肢になることもあります。
低血圧
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されました。この薬は血管を拡張する作用があるため、一部の人々においては低血圧が生じる場合があります。
この症状が起きた場合、急に立ち上がると頭がくらくらする可能性があります。症状が出た場合は、すぐに医師に相談することが必要です。医師と一緒に、薬の量を調整するか、他の治療法に切り替えるかを検討することがあります。
頭皮の炎症やかゆみ
ミノキシジルは頭皮に直接塗布するタイプの治療が一般的ですが、一部の人々には頭皮の炎症やかゆみを引き起こす可能性があります。これは主にミノキシジルが含むアルコールやプロピレングリコールによる刺激に起因する場合が多いです。
炎症やかゆみが出た場合、まずは使用を中止し、医師に相談することが重要です。代替の薬や低濃度のミノキシジルを使用するといった対策も考慮されるでしょう。
心臓への影響
ミノキシジルとフィナステリド(プロペシア)のいずれも心臓に影響を与える可能性があります。ミノキシジルはもともと高血圧治療薬として使用されており、血管を拡張する効果があります。したがって、特に高用量を使用すると心臓に負担をかける可能性があります。フィナステリドも稀に心臓への影響が報告されていますが、これはまだよく理解されていない領域でもあります。
心臓への影響が気になる場合、最初から低用量で治療を始める、定期的に心臓の検査を受ける、または心臓に影響を与えない治療法に切り替えるといった対策が考えられます。
肝機能障害
プロペシアの副作用で、一番注意が必要なのが「肝機能障害」です。性欲の減退や勃起機能不全は人命に直結するような危険性ではありませんが、肝機能障害は重大な副作用と言えます。
肝機能障害は血液検査などで調べない限り、早期発見が難しい症状です。肝機能障害が悪化すると白目の部分が黄色く変色する「黄疸」という症状が出ます。 肝臓で分解できなかった色素が白目に現れます。
黄疸が出た後での肝機能の治療は困難です。プロペシアを服用する場合は肝機能障害に注意を払う必要があるでしょう。
体毛の増加
ミノキシジルは、元々頭皮の毛髪成長を促進する目的で使用されますが、その作用は局所的なものではありません。つまり、頭皮以外の部位にも作用して体毛が増加する可能性があります。
これは特に、ミノキシジルを塗布した後に手を洗わなかった場合や、他の体部位に触れた場合に起こりやすいです。この副作用が不快であれば、使用を中止し、医師に相談することが重要です。場合によっては、他の薬剤への切り替えや治療法の見直しが必要かもしれません。
疲労感
ミノキシジルやフィナステリド(プロペシア)が原因で疲労感を感じる報告も一部で報告されています。特に、ミノキシジルは血圧を下げる作用があり、それが疲労感につながることが考えられます。
フィナステリドも男性ホルモン(テストステロン)の作用を抑制するため、一部の人々において疲労やエネルギー低下を引き起こす可能性があります。
疲労感が続く場合は、まずは医師と相談することが重要です。用量の調整、または別の治療法への切り替えが必要かもしれません。また、疲労感が他の健康問題から来ている可能性も考慮する必要があります。
めまい
ミノキシジルはもともと高血圧治療薬として開発されましたが、低血圧を引き起こす可能性があります。
低血圧はしばしばめまいや立ちくらみを引き起こす可能性があるため、特に立ち上がったときや急に姿勢を変えたときに注意が必要です。このような症状が出た場合は、すぐに座るまたは横になり、医師との相談をお勧めします。
消化器症状
フィナステリド(プロペシア)の直接的な副作用としては、消化器症状は一般的ではありませんが、薬物に対する個々の反応や他の同時に使用している薬剤、食事との相互作用などで、ガス形成、胃不快感、下痢などが発生する可能性があります。
何らかの消化器症状が出た場合、それが薬物によるものか他の要因によるものかを特定するためには医師の診断が不可欠です。特に、これらの症状が持続する場合や悪化する場合は、医師にすぐに相談してください。
ミノキシジル、プロペシア、ザガーロのリスクと対処法
ミノキシジル、フィナステリド(プロペシア)、デュタステリド(ザガーロ)は主に男性型脱毛症の治療に使用されますが、それぞれに独自の副作用があります。
以下でそれぞれの薬の主な副作用とその対処法について詳しく解説します。
AGA治療薬の代表的な種類の概要については以下の記事でまとめています。
ミノキシジルの副作用と対処法
- 心拍数の増加
- 頭皮の炎症やかゆみ
- 低血圧
ミノキシジルはもともと高血圧治療薬として使用されていましたが、心拍数の増加を引き起こす可能性があります。日本ではミノキシジル外用薬が知られています。市販で買える外用薬(発毛剤)としては「リアップ」や「ロゲイン」が有名です。
また、頭皮の炎症やかゆみも頻繁に報告される副作用の一つです。また軽度の低血圧が報告されています。
心拍数が急激に増加した場合、かゆみが続く場合、立ちくらみやめまいがあれば、医師との相談が必要です。
フィナステリド(プロペシア)の副作用と対処法
- 性欲低下
- 乳房の腫れや痛み
- 心の健康に関する影響
性欲低下の副作用は一部の人々に見られます。プロペシアの副作用として現れるのは、性欲減退が1~1.5%未満、勃起不全が1%未満と数値として高くありません。また、ごくまれに乳房の腫れや痛みを感じる方もおられます。
さらに、うつ症状や不安も報告されています。
症状が出た場合は、医師と相談して用量の調整や代替治療法を検討することがあります。
デュタステリド(ザガーロ)の副作用と対処法
- 性欲の低下
- 乳房の変化
- 心の健康
- アレルギー反応:発疹、かゆみ、腫れなど
デュタステリド(ザガーロ)はプロペシアと同じような効果があり、5α-リグクターゼに働きかけ、ジヒドロテストステロンの生成を阻害します。 プロペシアよりもジヒドロテストステロンの生成の抑制効果が強く、AGA治療で効果が認められている優秀なお薬です。
デュタステリド(ザガーロ)では性欲の低下、勃起不全、射精障害が副作用として報告されています。また、乳房が膨らんだり、痛みを感じる可能性があります。
加えて、うつ症状が出たり、アレルギー反応で発疹、かゆみ、腫れが出ることもあります。
副作用が続く場合、医師と相談して他の治療法を検討することが重要です。また、他の薬との相互作用も考慮する必要があります。
とにかく、副作用が重症化する前に早めに医療機関を受診することが重要です。これが最も安全かつ効果的な治療につながります。
AGA治療と男性機能:性欲低下と対処法
AGA(男性型脱毛症)治療の副作用のなかでも、特に性欲低下は深刻な影響をもたらす可能性がありますが、この問題を解決するための手がかりはいくつか存在します。
AGA治療薬で性欲が低下する仕組み
フィナステリド(プロペシア)は、5α-リダクターゼという酵素を阻害します。この酵素は、男性ホルモンであるテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する役割を果たしています。
DHTは、特定の毛母細胞に作用し、その結果として脱毛が促進されるのです。フィナステリドがDHTの生成を抑制することで、脱毛の進行を遅らせる効果があります。しかし、この過程でテストステロンの代謝にも影響が出る場合があり、その結果、性欲が低下する可能性があります。
男性機能への影響への対処法
もし性欲が低下したと感じた場合、以下のステップを踏んで対処が可能です。
対応ステップ |
説明 |
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1.直ちに医師に相談 |
多くの場合性欲低下は一時的です。しかし、長期化するとQOL(生活の質)に影響を与えます。早めの相談がキーです。 |
2.薬の用量調整 |
医師と相談して、薬の用量を調整することが多くの場合に有効です。これにより、効果を維持しながら副作用を減らすことが可能です。 |
3.代替治療の検討 |
性欲低下が改善しない場合、ミノキシジルなど他の治療薬への切り替えも一つの方法です。 |
4.補助サプリメント |
亜鉛やマカなど、性欲を高める可能性が報告されているサプリメントもあります。ただし、これは医師との相談が必要です。 |
AGA治療を継続しながら男性機能を維持する方法
まず、生活習慣を見直しましょう。ストレスを減らし適度な運動を行うことは、テストステロンレベルを維持するのに役立ちます。
また、定期的な健康診断も欠かせません。治療中は定期的に血液検査などを行い、ホルモンレベルをチェックすることが重要です。そして、信頼できるパートナーや医療専門家とのオープンなコミュニケーションも非常に重要になります。
何より大切なのは、何か問題に気付いたら専門の医療機関で診察を受けることです。安心と信頼のもと、最良の治療を受けてください。
「AGA対応可能」と謳う一般の皮膚科・美容皮膚科とAGA専門クリニックの違い、症状による使い分け方法については以下の記事で詳しく説明しています。
頭皮のケアとAGA治療:炎症や脱毛の対処法
頭皮の炎症は、治療薬が効果を発揮するためには障害となりえます。
炎症があると、薬物が頭皮に均等に浸透しづらく、その結果、治療の効果が十分でなくなる可能性があります。加えて、炎症状態は脱毛を加速させるリスクも高まります。
AGA治療中における頭皮の炎症に対する対処法は以下です。
対処方法 |
説明 |
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専門医に診てもらう |
炎症の程度によっては、ステロイド薬などの処方が必要な場合もあります。 |
低刺激性のシャンプーを使用する |
硫酸塩などの刺激成分を避けたシャンプーを選びましょう。 |
治療薬の量や頻度を調整する |
炎症が落ち着くまで、AGA治療薬の使用量や使用頻度を一時的に下げることを検討する価値があります。 |
頭皮マッサージ |
頭皮の血行を良くするために、指の腹で優しくマッサージします。これはシャワーの最中などに行うと効果的です。 |
保湿 |
頭皮用の保湿ローションやオイルを使用して、乾燥を防ぎます。 |
バランスの取れた食事 |
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富な食事を心掛け、頭皮環境を整えます。 |
長期治療での副作用とリスク管理
AGA(男性型脱毛症)治療は、多くの場合、長期にわたるものです。長期にわたる薬物治療は、その副作用リスクが高まる可能性があります。
長期的な副作用リスクには、肝機能への影響、心血管疾患のリスク増加、性機能障害などが考えられます。
症状や体調に変化があれば速やかに医師に相談することが重要です。また、血液検査や心電図など、医師の指示に基づいて定期的に健康チェックを受けましょう。
後悔しないためにリスクを最小化する方法
長期治療のリスクを最小限に抑えるためには、適切な情報収集と計画的なアプローチが求められます。
まず、すべての治療薬が全ての人に適しているわけではないことを理解しましょう。副作用のリスクと治療効果をしっかりと比較し、医師と一緒に最適な薬物を選びましょう。
また、単一の薬剤だけでなく、他の治療法との併用も考慮に入れることで、副作用のリスクを分散することが可能です。
長期治療におけるリスク管理は多角的に行う必要があります。そして何よりも、医師と密接なコミュニケーションを維持し、必要な医療行為を適切に受けることが最も重要です。
個人輸入のAGA治療薬にご注意ください!
インターネットが普及した現在、海外のAGA治療薬を簡単に手に入れることができるようになりました。 もちろん、海外のAGA治療薬がすべて危険なわけではありません。何より、体質に適さないAGA治療薬を使用することが重大な問題なのです
AGA治療では一般的にAGA頭髪治療専門クリニックで体質を調べてもらってから、医師が患者さんの薄毛の症状や体調を考慮して、AGA治療薬を処方します。
個人輸入のお薬が、自分の体質や薄毛の症状に適しているか自己判断することはできません。危険な海外のAGA治療薬を使用することで、重大な健康被害を招く恐れがあります。AGA治療薬を服用する際は、AGA頭髪治療専門クリニックの医師のもとで、慎重に治療を行うようにしましょう。
まとめ
AGA(男性型脱毛症)治療には多くの選択肢がありますが、それぞれに副作用のリスクが伴います。性欲低下や低血圧、頭皮の炎症など、心配な点は少なくありません。
しかし、正確な情報と医師とのしっかりしたコミュニケーションによって、これらのリスクは最小限に抑えられます。この記事を読んで、AGA治療の副作用についての理解を深めたら、次は専門医へ気軽に相談してください。
さらには治療薬と頭皮ケア製品についても調査することが、安全かつ効果的な治療に繋がる第一歩となります。何か疑問や心配があれば、どうぞ私たちに気軽にお問い合わせください。

総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意とします
高い技術と広い見識に加え、患者それぞれの生活に寄り添う専門治療が評判です
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員