
「AGA治療って、どれくらいの期間で効果が出るんだろう?」「いつまで治療を続ければいいの?」
薄毛に悩み始めた多くの方が、このような疑問を抱えています。
実は、「AGA治療は効果が出るまでに時間がかかる」「一度始めたらずっと続けなければならない」といった情報だけが独り歩きし、多くの誤解を生んでいます。確かに、AGAは進行性の脱毛症であり、ヘアサイクルの正常化には一定の期間が必要です。しかし、適切な治療を行えば、多くの方が3~6カ月で何らかの改善を実感し、1年後には見違えるような変化を遂げています。
本記事では、AGA専門医として多くの患者様の治療に携わってきた経験から、効果実感までの現実的なタイムライン、初期脱毛の正しい理解、治療期間に影響する要因、そして気になるコストパフォーマンスまで解説します。フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった治療薬の効果期間から、注入治療や自毛植毛まで、それぞれの特徴も詳しくお伝えします。
薄毛・抜け毛の原因・症状・対策方法が全部わかるAGA現役ドクターの完全解説記事は以下です。
この記事で説明する内容は?

総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
AGA治療の期間はどれくらい?~効果を実感するまでの一般的な目安~
AGAの治療を始める前に、多くの方が気になるのは「いつから効果が現れるのか」という点です。髪の毛の成長にはヘアサイクルという独自のリズムがあり、治療効果もこのサイクルに沿って徐々に現れてきます。
ここでは、効果実感までの現実的なタイムラインと、治療初期に起こる初期脱毛について、専門医の視点から詳しく解説します。
効果を実感するまでの一般的なタイムライン
髪の毛には成長期・退行期・休止期という約2~6年のヘアサイクルがあり、AGAによって短縮された成長期を正常化するには、どうしても時間が必要です。
治療開始から3カ月程度で、まず実感できるのは「抜け毛の減少」です。シャンプー時や枕に落ちる髪の毛が明らかに減ってきたと感じる方が多くいらっしゃいます。
これは、DHTの生成が抑制され、ヘアサイクルが正常化し始めている証拠です。
6カ月を過ぎると、産毛が太くなり始め、頭頂部や生え際に新しい髪の毛が確認できるようになります。この時期になると、鏡を見るのが楽しみになってくる方も少なくありません。
そして、治療開始から1年が経過する頃には、多くの方が見た目の改善を実感されます。
ただし、これはあくまで一般的な目安です。20代の方では3カ月で明らかな改善が見られることもあれば、進行度が高い場合は1年以上かかることもあります。
大切なのは、焦らずに治療を継続することです。
初期脱毛とは? – 一時的な抜け毛増加は効果のサイン
「治療を始めたら、かえって髪が抜けてしまった」という声を聞くことがあります。これが初期脱毛と呼ばれる現象です。治療開始後10日~1カ月程度で始まり、通常1~3カ月ほど続きます。
初期脱毛のメカニズムを理解すれば、不安も和らぐでしょう。AGAによって乱れたヘアサイクルが正常化する過程で、休止期にある古い毛髪が新しく生えてくる健康な髪の毛に押し出される形で抜け落ちるのです。
つまり、初期脱毛は治療薬が効いている証拠なのです。
例えば、古い家を建て替える際、まず解体工事が必要なように、健康な髪を生やすためには一度リセットが必要だと考えてください。
もし初期脱毛が3カ月以上続いたり、あまりにも激しい脱毛が起こったりした場合は他の要因も考えられますので遠慮なく担当医にご相談ください。
AGAの治療方法と通院回数・期間の目安
AGA治療方法と通院回数の目安を紹介します。
- AGA多剤処方
- オーダーメイド処方
- 自毛植毛
- AGAメソセラピー
- 局所免疫療法
以下で示した通院回数は薄毛の症状とAGA頭髪専門クリニックの治療方針によって異なる場合があります。
あくまで目安にとどめておいてください。治療薬の量や頻度は変わりますが、完全に薬を止めてしまうと再発して症状が進行するケースが少なくありません。
AGA多剤処方
AGA多剤処方を用いる場合、症状が軽い方は通院3回程度で済む場合があります。3カ月に1回の通院で完治する患者さんもいます。
薄毛症状が重い方は10回以上の通院が必要な場合もあります。AGA多剤処方は、以下のような薬剤を同時に使用して治療する一般的な手法です。
- デュタステリド(内服薬)
DHT(ジヒドロテストステロン)の抑制に効果 - フィナステリド(内服薬)
DHT(ジヒドロテストステロン)の抑制に効果 - ミノキシジル(主に外用薬)
頭皮環境を改善
フィナステリドの場合、3~4カ月程度で抜け毛の減少を実感される方が多いです。6カ月を過ぎると、産毛が太くなり始め、1年後には多くの方が発毛効果を実感されます。
デュタステリドは、フィナステリドよりも5αリダクターゼへの阻害作用が強く、I型とII型の両方に作用します。そのため、効果を実感するまでの期間がやや早い傾向にあり、3カ月程度で変化を感じる方もいらっしゃいます。
ミノキシジルは、使用開始から2~3カ月で、まず髪のコシが出てきたと感じる方が多いです。3~6カ月経過すると、産毛の発生や、既存の髪の太さの改善が見られ始めます。
オーダーメイド処方
オーダーメイド処方でAGA治療する場合は、最低6回は通院する必要があります。オーダーメイド処方は、多剤処方で思うような効果が得られない場合に用いられます。
医師が患者さんの薄毛症状と体質を考慮して、特別に調合したお薬を服用する方法です。
自毛植毛
自毛植毛は、3回から6回は通院する必要があるでしょう。自毛植毛は文字通り、自分の髪の毛を薄毛部分に移植する治療法です。
移植された毛髪は一度抜け落ちますが(ショックロス)、3~4カ月後から新しい髪が生え始めます。
6カ月後には移植部位の発毛が確認でき、1年後にはほぼ定着が完了します。
自毛植毛には以下の2種類の手法があります。
- FUT法
頭皮の一部を切り取り移植 - FUE法
髪の毛の株を少しずつ移植
FUT法の施術は1度で済む場合がありますが、術後の経過を見る必要があり、最低3回から6回は通院する必要があるでしょう。
FUE法はFUT法と比べて通院回数は増えますが、患者さんへの負担が少ないというメリットがあります。
AGAメソセラピー
AGAメソセラピーは10回程度の通院は必要になると思われます。AGAメソセラピーは、患者さんの頭皮に毛髪成長因子(グロースファクター)を注入する薄毛治療法です。
多剤処方やオーダーメイド処方よりも大きな発毛効果が期待できる人気の治療法です。
2週間おきに4回の施術を行い、経過観察を行います。患者さんの体質にもよりますが、10回程度の通院は必要になると思われます。
局所免疫療法
局所免疫療法は最低10回以上の通院が必要になるでしょう。局所免疫療法は円形脱毛症の患者さんに利用される治療法の1つです。
円形脱毛症は自己免疫疾患が原因ではないかと考えられています。
免疫のリンパ球が毛根にダメージを与えていることが原因です。局所免疫療法では頭皮に試薬を塗布し、患部の表面にかぶれを意図的に起こします。
リンパ球を患部表面に集中させることで毛根へのダメージを減らす高度な治療法です。局所免疫療法は時間がかかる場合が多く、最低10回以上の通院は必要になるでしょう。
局所免疫療法の効果、治療方法、向いていない症例について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
AGA治療期間に影響を与える要因
AGA治療の効果が現れるまでの期間は、実は人によって大きく異なります。同じ治療法でも、3カ月で効果を実感する方もいれば、1年以上かかる方もいらっしゃいます。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか。ここでは、治療期間に影響を与える主要な要因について詳しく解説します。
AGAの進行度
まず理解していただきたいのは、AGAの進行度です。初期段階であれば、毛母細胞がまだ活発で、治療への反応も良好です。
一方、かなり進行してしまった場合は、毛母細胞の活性を取り戻すまでに時間がかかります。例えるなら、軽い風邪なら数日で治りますが、こじらせてしまうと回復に時間がかかるのと同じです。
年齢
年齢も重要な要因の一つです。一般的に20代、30代の方が40代、50代の方よりも治療効果が出やすい傾向にあります。
これは細胞の新陳代謝や成長ホルモンの分泌量が関係しています。ただし、60代でも素晴らしい改善を見せる方もいらっしゃいますので、年齢だけで諦める必要はありません。
治療法
治療法の選択と組み合わせも、期間に大きく影響します。フィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、DHTの生成を根本から抑制します。
ミノキシジルは血行を促進し、毛母細胞を活性化させます。これらを適切に組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
さらに、メソセラピーやPRP療法といった注入治療を併用すると、より早い効果実感につながることもあります。
個人差
遺伝的要因や体質による個人差も無視できません。5αリダクターゼの活性度や、アンドロゲンレセプターの感受性は人によって異なります。薬物代謝酵素の活性も個人差があり、同じ薬でも効き方が違ってきます。
そして何より大切なのが、治療の継続性です。「効果が出ないから」と1カ月でやめてしまったり、「調子が良いから」と自己判断で薬を減らしたりすると、せっかくの治療効果が台無しになってしまいます。医師の指示通りに、用法・用量を守って継続することが、最短での効果実感への近道です。
生活習慣
最後に、生活習慣の影響も軽視できません。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理。これらは髪の健康に直結します。
特に喫煙は頭皮の血行を悪化させ、治療効果を妨げる要因となります。治療と並行して生活習慣を見直すことで、より良い結果が期待できるのです。
通院の負担を軽減!オンライン診療を活用しよう
通院の回数は減らすことは難しいですが、通院を楽にする方法ならあります。最近はオンライン診療という診察方法があります。
オンライン診療ではテレビ電話を利用して、医師が診察する方法です。
お薬も郵送で送ってくれます。
人気のあるAGA頭髪専門クリニックがあるのに、遠いから通院が大変だと感じている方は、パソコンやスマートフォンで利用できるオンライン診療を検討してもよいでしょう。
「通院の負担を軽減」してくれるAGA頭髪専門クリニックで治療することをおすすめします。
まとめ
AGA治療の期間について、さまざまな角度から解説してきました。治療効果を実感するまでには、一般的に3カ月から1年程度かかりますが、これはヘアサイクルの正常化に必要な時間です。
治療期間は、AGAの進行度、年齢、選択する治療法、そして何より治療の継続性によって大きく左右されます。残念ながらAGAは完治する疾患ではないため、効果を維持するには継続的な治療が必要ですが、早期に治療を開始することで結果的に時間もコストも最小限に抑えることができます。
大阪AGA加藤クリニックでは、豊富な治療実績をもとに、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案しています。24時間365日、電話・メール・LINEでご相談を受け付けていますので、「ちょっと聞いてみたい」という気軽な気持ちでも構いません。
効果が出ずにAGA治療を止めたいと思う原因を以下の記事で解説しています。