薄毛・ハゲ

植毛後の薄毛リスクを減らす方法とは

頭髪専門クリニックでのAGA治療は一般的に、患者さんへの負担が少ない単剤処方・多剤処方で治療を進めていきます。

しかし、クリニックの治療方針や患者さんの要望で、植毛で薄毛を治療するケースも多くあります。

植毛は短期間で薄毛の改善を期待できる治療法の1つですが、治療後も薄毛になるリスクはあります。

そこで今回は、植毛による薄毛の危険性と対処法について説明します。

植毛にはどのような薄毛のリスクが潜んでいるのでしょうか。

AGAの原因と治療法

 AGA(男性型脱毛症)が進行している方は発毛サイクルに問題が生じている可能性があります。頭髪専門クリニックではどのようなアプローチで薄毛を治療していくのでしょうか。

頭髪専門クリニックで行われる主なAGA治療

 頭髪専門クリニックで行われている主なAGA治療法を以下に示します。

・多剤処方治療 ・オーダーメイド発毛治療 ・AGAメソセラピー ・自毛植毛

多剤処方治療

 AGAは髪の毛を生成する毛母細胞に攻撃を与える悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」が原因で進行します。多剤処方ではジヒドロテストステロンの増加を抑制する効果のある「プロペシア」や「デュタステリド」と、頭皮環境を改善する「ミノキシジル」などを併用して治療を行います。

オーダーメイド発毛治療

 患者さんへの体質に適した治療薬を処方して、AGAを治療する方法です。頭髪専門クリニックの医師が血液検査や頭皮環境のチェックを細かく行い、調合するので、患者さんへの負担も少なく、AGA治療の効果も期待できます。

AGAメソセラピー

 患者さんの薄毛部分に発毛因子「グロースファクター」を注入して、発毛を促進させます。施術の痛みは少なく、薄毛改善効果も非常に高いです。今注目の治療法の1つです。

自毛植毛

 自毛植毛は安全性が高く、短期間で薄毛を改善することができます。治療費用は多剤処方やオーダーメイド発毛治療よりも高いですが、最近人気の治療法の1つです。この自毛植毛は、一度施術したら薄毛にはならないのでしょうか。

健康的な髪の毛は生えてくるの?植毛後の毛髪の状態

 植毛したら薄毛にならないか疑問に思う方も多いと思います。植毛した後は健康的な毛髪が生えてくるのでしょうか。

植毛した毛髪は基本的に抜けない

 自毛植毛では薄毛部分に、後頭部や側頭部の毛髪を移植して薄毛を改善します。後頭部や側頭部は悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」の影響を受けにくいです。ですので、一度植毛した毛髪は抜ける確率は極めて低いといえます。

移植毛は生えかわり続ける!

 AGAが進行している方は発毛サイクルが乱れている状態が継続しています。以下に正常な発毛サイクルを示します。

1、 毛球が活動を髪の毛が伸びる 2、 正常な毛球の場合2年~6年程度髪の毛が成長する(成長期) 3、 毛球の退縮が始まる(退行期) 4、 毛球が完全に退化して脱毛する 5、 新しい毛球が活動を始める

 正常な毛髪は1から5の発毛サイクルを繰り返していきます。移植毛も、正常な発毛サイクルを繰り返して、生えかわり続けます。しかし、自毛植毛には思わぬ危険性が潜んでいます。

植毛後も薄毛になる!?植毛後の3つの薄毛パターン

 植毛したら健康的な毛髪が生えてきて、薄毛にはならないと思っている方もいるのではないでしょうか。自毛植毛後も薄毛になるリスクはあります。

パターン1!老化現象による薄毛

 老化で薄毛が進行する場合があります。年を取ると、新陳代謝が低下して毛母細胞が衰弱していきます。老化による薄毛は、髪の毛全体が細くなり、ハリやコシが無くなっていきます。びまん性脱毛症に近い薄毛症状があらわれるケースが多いです。移植毛も例外ではありません。

パターン2!びまん性脱毛症による薄毛症状

 植毛後もびまん性脱毛症により、薄毛になる可能性があります。びまん性脱毛症は髪の毛が細くなり、髪の毛全体のボリュームがなくなる症状です。移植毛も他の部位と一緒に髪の毛が細くなっていき地肌が見えてくるケースがあります。

パターン3!AGAの進行による薄毛

 人工植毛の施術を受け、一時的に薄毛が改善されても、悪玉男性ホルモンによるAGAが進行する場合も十分考えられます。人工植毛後の薄毛に悩む方も少なからずいらっしゃいます。AGAだけではなく、円形脱毛症のリスクもはらんでいます。

自毛植毛後のAGAによる薄毛症状

 M字型の薄毛を改善するために植毛した場合、頭頂部分が薄毛になってしまったというケースが稀にあります。男性ホルモンの影響を受けにくい移植毛は正常な発毛サイクルを繰り返します。しかし、頭頂部分だけジヒドロテストステロンの影響を受けてしまうと、通常のAGAと同じような薄毛症状があらわれます。このような、自毛植毛後のAGAの対処方法はどうすればよいでしょうか。

自毛植毛後のAGA治療方法

 自毛植毛後にAGAの症状があらわれたら際はどのように治療を行えばよいのでしょうか。自毛植毛後のAGA治療を紹介します。

多剤処方で治療する

 AGAは進行性の薄毛なので、いきなり顕著な薄毛症状があらわれることはありません。自毛植毛した部分以外の毛髪が薄くなってきたと感じたら、すぐに頭髪専門クリニックでプロペシアやデュタステリドなどを服用して早期治療を行うことをおすすめします。AGAが悪化する前に服薬治療で薄毛部分を改善できれば理想的です。

再度自毛植毛を行う

 自毛植毛を行っていない部位の薄毛が悪化して来た場合は、再度自毛植毛を行う手法もあります。しかし、自毛植毛は施術費用が膨らむ可能性が高いので、患者さんへの経済的・身体的負担が大きくなります。AGAによる薄毛が悪化する前に、頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。

植毛後のAGAによる薄毛を未然に防ぐ方法6選!

 植毛後の薄毛は治療費用がかさむので、できれば未然に薄毛を防ぐことが理想的ですね。そこで、植毛後にできるAGA予防の方法を紹介します。

その1!自分の頭皮の写真を撮影する

 自分の薄毛の状態を常に把握するためには毎日鏡を見ているだけでは心もとないです。薄毛治療の体験談などのブログを運営している方は常に自分の薄毛の状態を写真でチェックしています。鏡で見ただけでは薄毛が進行しているという実感がわかいない可能性があります。毎日とは言いませんが、定期的に自分の薄毛を写真のデータで観察することで、AGAのリスクに気付くこともあります。時間に余裕がある方は、植毛した後の薄毛の経過を撮影してデータを保存しておくことをおすすめします。

その2!不規則な生活習慣を改善する

 AGAの原因はジヒドロテストステロンの増加にありましたね。ジヒドロテストステロンは不規則な生活習慣が原因である場合が多いです。飲酒や喫煙は血中のジヒドロテストステロンの増加を招く危険性があります。また、昼夜逆転の生活を送っていると、ホルモンバランスが乱れ、髪の毛の成長を促す成長ホルモンが正常に分泌されない可能性もあります。自毛植毛後は、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

その3!再度自毛植毛を行う際はかかりつけの頭髪専門クリニックで

 どうしても再度自毛植毛を行う際は、自毛植毛を受けたかかりつけの頭髪専門クリニックで施術するようにしましょう。海外のクリニックで再度植毛を行いと、前回植毛した部位や、患者さんの体質を考慮しない可能性があります。もう一度自毛植毛で薄毛を改善したい場合はかかりつけの頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。

その4!刺激の少ないシャンプーを使用する

 AGAの進行を未然に防ぐには頭皮環境を健康的に維持する必要があります。市販のシャンプーには合成界面活性剤などが含まれた、洗浄力が強い製品が販売されています。頭皮を過剰に洗浄すると、頭皮環境の維持に最低限必要な皮脂を洗い流してしまう可能性があります。シャンプーは刺激の少ないアミノ酸系シャンプーをおすすめします。

その5!入浴中に頭皮マッサージを行う

 入浴は新陳代謝を促進する効果が期待できます。さらに入浴中に頭皮マッサージを取り入れることでより、血行が促進され頭皮環境が改善されます。頭皮マッサージを行う際はきちんと爪を切って、指の腹で、後頭部から頭頂部に押し上げるように行うとよいでしょう。

その6!ストレスをため込まない!

 AGA以外の薄毛症状の予防に共通して言えるのは「ストレスをため込まない」ことです。ストレスをためると、体の免疫力が低下して、円形脱毛症のリスクも高まります。ストレスを定期的に発散して、生活の質を向上させましょう。

植毛を行った後もAGA治療との戦いは続くということです。植毛をしたからといって、油断することはできませんね。

自毛植毛後もAGAのリスクを視野に入れておく!

 自毛植毛は薄毛を短期間で治療できる手段ですが、AGAによる薄毛のリスクはなくなることはありません。自毛植毛後も健康的な毛髪を維持するためには、生活習慣の改善を見直すことが必要になりそうですね。自毛植毛後の薄毛にお悩みの方は、自毛植毛の経験が豊富な頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。