新型コロナウイルスに感染し、回復した後に来る後遺症として、全身倦怠感、息苦しさ、関節痛、味覚障害等が報告されており、それに加えて、若い方から高齢の方まで男女問わず、髪の毛が抜ける脱毛の症状を訴える患者様が急増しています。
コロナの後の脱毛症は後遺症の中でもかなりの方に表れる症状の一つであると言われており、国立国際医療研究センターの調べでは退院後の患者様最大4人に1人脱毛症状があると言われ、当院でも2020年夏頃以降、コロナ後遺症脱毛のご相談が増えています。
更に、最近の報告では男性に比べると女性の方が3倍、脱毛の後遺症が出やすいとのことで、その原因は未だに解明されていません。
当院に来られるコロナ後遺症脱毛の患者様の多くは、全体的な髪の抜け毛が気になる方がほとんどです。しかし、中にはコロナウイルスに感染してから初めて円形脱毛症ができたとご相談にこられる患者様もいらっしゃいます。
コロナウイルスは未知のウイルスですので、円形脱毛症を引き起こすと断言はできませんが、円形脱毛症自体が自己免疫疾患である可能性が高い為、その関係で脱毛が起こる可能性はゼロではないと考えられます。
また、円形脱毛症はストレスも大きく関係していると言われており、コロナウイルスに感染したことで身体的にも精神的にもストレスがかかり、引き起こされるのではないかとも考えられます。
円形脱毛症の治療期間ですが、症状によって異なります。
軽度であれば、自然治癒する可能性もありますし、治療も数カ月継続すれば治ることがほとんどですが、すでに重症化している場合は治療に数年かかる場合もあります。
実際当院でも、円形脱毛症の治療開始から2~3年ほど経過した患者様がいらっしゃいますし、AGA治療のように発毛するまでの目安をお伝えするのが難しいのが現状です。
ただ、今は軽度だからと放置すると、いずれ重症化し治療が困難になる可能性も十分に考えられますので、早めの治療をお勧め致します。
コロナ後遺症脱毛の医学的エビデンスはまだ把握されていませんが、感染すると強力な炎症反応作用が働き、免疫力低下を伴い、なんらかの作用で脱毛を誘発しているのではないかと考えています。
毛髪には毛周期というものがあり、一定期間伸び続ける【成長期】、寿命になり毛根が退縮していく【退行期】、そして抜ける状態の【休止期】になるヘアサイクルを繰り返しているのですが、一般的には、今現在の頭髪の約85%が成長期で、10数%が休止期にある状態が正常な状態です。
コロナ感染後の炎症反応に対する免疫力において、この毛周期のサイクルが乱れ、成長期毛>休止期毛であるはずのサイクルが、成長期毛<休止期毛になっていると考えられます。
例えば女性の場合、妊娠中は成長期毛の割合が多くなり、産後には休止期毛の割合が多くなることで、頭髪の状態が疎かとなることが知られています。
また、高熱や大きな手術後でもこれらの休止期脱毛が起こる可能性があります。
多くは自然に毛周期のサイクルが元に戻ってくると、成長期毛が増加し、毛髪も回復してきますが、突然抜け毛が増えると不安になるのは当然ですよね。
中には完治後半年以上たっても脱毛症状が治まらない方もいらっしゃるようです。
今まで多様な脱毛症を扱ってきた当院では、コロナ後の後遺症による脱毛症状も治療可能です。
医師が状態を診察し、内服薬治療、外用薬治療や注入治療など、患者様の症状に合った治療法をご提案致します。
コロナ後遺症脱毛でお悩みの方は、遠慮なくご相談下さいませ。