- 円形脱毛が広がる前に治したい
- 他の場所にもできたらどうしよう
- 繰り返さないか心配
いつのまにか円形脱毛症になっていた・・・
円形脱毛に気がついた時というのは、本当にショックですよね。
「このまま毛が生えてこなかったらどうしよう」と不安になるかもしれません。
早く治したいけど、どうしたらいいか分からないと悩んでいませんか?
最近では信頼できる治療法もかなり確立されてきています。
この記事では、円形脱毛症に効果的だと言われている治療法をいくつかご紹介します。
さらに、上手な病院の選び方や円形脱毛治療の注意点も取り上げます。
自分に合いそうな治療法をこの記事で探してみてください。
→円形脱毛症の種類、原因については以下記事をご覧ください。
この記事で説明する内容は?
総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
円形脱毛症の治療法11種類
当院の患者様も、単独の治療法で著明に効果をあげてすぐに治癒される方もいれば、複数の治療法を試して、少しずつ改善している方もおられます。
現在有効とされている円形脱毛症の治療法には以下の種類があります。
- 局所免疫療法
- プロペシア・ミノキシジル治療
- ステロイド療法
- 抗アレルギー剤
- 抗ヒスタミン薬
- 鍼灸治療
- 植毛治療
- 低出力レーザー治療
- 光線療法
- 雪状炭酸圧抵療法
- 漢方薬治療
それぞれの特徴を説明します。
局所免疫療法
局所免疫療法は、円形脱毛症の患部に人工的にかぶれを起こして発毛効果を促進する治療法です。
有効なら2、3カ月で発毛が見られ、現在では最も効果的な治療法のひとつとなっています。
かぶれを起こす薬剤名から「SADBE療法」、カナカナ読みで「サドベ療法」と呼ばれたりします。
世界的にも評価の高い方法で、日本皮膚科学会の円形脱毛症のガイドラインのBランクに推薦されています。
有効率は60~90%とされており、全身的に重篤な副作用の危険もありません。
プロペシア・ミノキシジル治療
プロペシアとミノキシジルは、AGA(男性型脱毛症)治療のために処方されるお薬です。
プロペシアはAGAと円形脱毛症の両方を発症している男性にも使われます。
プロペシアについては以下の記事で詳しく説明しています。
ミノキシジルは、脱毛症の治療に用いられる液状の外用薬です。ミノキシジルには血管拡張作用があります。市販で買える外用薬(発毛剤)としては「リアップ」や「ロゲイン」が有名です。
毛髪の成長を促進し、脱毛を抑える効果が期待できるでしょう。2%~5%の濃度のものが主流です。
医師の診察と処方があれば5%を超える濃度のものを使用することもできます。
個人差がありますが、多くの場合6ヶ月以上の継続的な使用が必要です。
仮に効果が出なかったからといって、自己判断で使用を中断するのは避けましょう。
ステロイド治療
皮膚の炎症を抑える効果のあるステロイドを使用した治療法です。
炎症が原因の円形脱毛症の場合、この治療が有効であるとされています。
使い方は以下3種類です。
使用法 | 注意点 |
---|---|
|
皮膚の炎症や、免疫機能を抑える効果 |
|
急激な進行の場合に施され、効果は抜群に高い 服用は2・3カ月に留め、再服用はできません。 |
ステロイド局注 |
注射した部分にしか発毛せず、その部分がへこむ副作用が起こることもあります。 脱毛斑が小さい、あるいは数が少ない場合のみです。 |
長期間行うとステロイドの副作用により皮膚が薄くなることがあります。
長期間にわたる使用は以下のような副作用を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
- 肌が薄くなる
- 色素沈着
- 吹き出物ができる
- 毛細血管の拡張
とはいえ、医師の指示に従い適切に使用すれば、効果的で安全な治療法のひとつです。
抗アレルギー剤
初期症状や軽い場合はセファランチン、グリチルリチンなどのアレルギーを抑制する薬を服用します。
セファランチンにはアレルギー反応の抑制や、血行促進の効果があります。
セラファチンも外用薬ステロイドと同様に、国内で円形脱毛症の治療に実績のある薬です。
グリチルリチンの主要成分は甘草(カンゾウ)という植物です。
炎症やアレルギーを抑える作用や肝臓の働きを改善する作用などがあります。
天然素材で副作用も少ないですが、長期に渡って摂取すると、カリウム値が下がる危険性が指摘されています。
主に、単発型や多発型の円形脱毛症の治療で実績のある薬です。
抗ヒスタミン薬
日本皮膚科学会の円形脱毛症のガイドラインでも、抗ヒスタミン薬は併用療法として推奨されています。
ただし、円形脱毛症に対する保険適応はありません。
アトピー素因がある場合は保険適応になる場合があります。
鍼灸治療
鍼灸治療は、鍼とお灸を使用した治療法です。特定の経絡(けいらく)を刺激することで、頭皮を正常な状態へと戻します。
鍼灸治療は以下の点で円形脱毛に効果的とされています。
- 頭皮の血流促進
- 皮脂や老廃物の排出
- 毛包の周囲の毛細血管の増加
- 末梢血管の循環促進
鍼灸治療は副作用が少ない治療法のひとつです。
ただし、一般的な治療法とは異なるため効果には個人差があります。
適切な訓練を受けた専門家による治療が必要です。
素人による自己治療は危険なので気を付けましょう。
植毛治療
植毛治療は、円形脱毛症がすすんだ頭皮に毛を植える治療法です。
植毛治療には、以下の2種類があります。
- FUE(フォリキュラーユニット抽出法)
- FUT(ストリップ法)
FUEは、患者の頭皮から個別の毛根を取り出し、1本ずつ頭皮に再植します。
一方、FUTは、頭皮から帯状に皮膚を取り出し再植する方法です。
植毛治療では、患者自身の毛根を使用できます。
そのため外見的な自然さ、正常な生え方を再現することができます。
また、植毛後のメンテナンスも、普通のヘアケアと同じように行うことができます。
植毛治療には、手術に伴うリスクや費用の高さなどのデメリットもあります。
植毛後も円形脱毛症の症状が進行し、植毛が無駄になる場合もあるでしょう。
低出力レーザー治療
低出力レーザー治療は、「LLLT(Low Level Laser Therapy)」とも呼ばれる、比較的新しい育毛方法です。頭皮に低出力のレーザーを照射することで、血流を改善し、髪の成長を促進します。
低出力レーザー治療は、手術や薬剤投与に比べてリスクが少なく、痛みもありません。
ただし、治療の効果には個人差があり、継続的な治療が必要です。
低出力レーザー治療の効果は、治療期間や照射量、患者の状態によって異なります。
治療の効果を最大限に発揮するためには、医師と相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。
治療薬や育毛剤と一緒に使うこともできます。
光線療法
紫外線の中で304-313nmの領域の波長を使うエキシマレーザーが円形脱毛症の治療に使われることが多いです。エキシマレーザーは治療したい部位のみに照射できます。 それで、円形脱毛症のような局所症状に対して効率よく、照射時間も短くて済むのがメリットです。 他には、NB-UVB(narrow band UV-B)も、皮膚科での円形脱毛症治療によく使われています。 主に中波紫外線というUV-Bの波長から有害領域をカットし、治療に有効な領域のみを抽出できます。 ですから、有効かつ安全な治療ができます。
雪状炭酸圧抵療法
雪状炭酸圧抵療法は進行型の症状に対する治療法です。免疫状態改善のため、患部に雪状の液体窒素(あるいはドライアイス)を軽くあてて、刺激を与える方法です。
1990年の自治医科大学の研究「円形脱毛症の雪状炭酸圧抵法 その発毛率の推移について」では、以下のように報告されています。
自然経過群と比べ治療開始後より, 短期間で発毛を認め, 月毎の発毛率も高く, 発毛する患者が多かった。
本治療法は発毛を促進させると思われた。
しかし12~15カ月目から発毛率の増加があまり見られないため, このあたりが他の治療法に変換する時期と考えられる。
現状ではドライアイスを用いた雪状炭酸圧抵療法効果は短期限定的とされており、保険適応もありません。
漢方薬治療
漢方薬治療は、中国の伝統医学で使用される治療法の1つです。円形脱毛症に対して、体内のバランスを整えることで治療できます。
天然成分で作られているため、副作用を心配している人におすすめです。
ただし、漢方薬は他の医薬品との相互作用があります。
日常的に薬を服用している場合は、医師に相談することが必要です。
漢方医師に相談すれば、患者の状態に応じた適切な処方を紹介してくれるでしょう。
円形脱毛症治療に効果的な病院の選び方
円形脱毛症の効果的な治療法を見つけるために、以下のポイントをつかんでおきましょう。
- 病院選び
- 治療効果や副作用の情報収集方法
それぞれ説明します。
専門医がいるかどうかを確認する
まずは、薄毛、脱毛の分野で実績を積んだ専門医がいるかどうかを確認しましょう。
専門医が治療にあたることで、適切な診断と治療が受けられます。
設備や治療内容について調べる
設備や治療内容について調べることも重要です。
例えば、光治療器やレーザー治療器を備えている病院であれば、より効果的な治療を受けることができます。
治療費用や保険適用について確認する
一部の治療は保険適用外であり、高額な費用が必要な場合があります。
病院に問い合わせるか、予約前にホームページ等で確認することができます。
信頼できる情報源から評判を確認する
病院の規模が大きくても、治療効果が高いとは限りません。
ネット上の口コミや評価を参考にすることで、信頼性の高い病院を選ぶことができます。
円形脱毛症治療の注意点
円形脱毛を治療する場合、注意しないとかえって悪化する可能性があります。
以下に治療上の注意点を説明します。
市販薬や育毛剤の乱用による悪化のリスク
円形脱毛症の対処法として、市販薬や育毛剤の使用を検討する人も多いでしょう。しかし、これらの乱用は、逆に症状を悪化させる可能性があることを覚えておきましょう。
市販薬や育毛剤に含まれる成分には、アレルギーや過敏症を引き起こすものもあります。
また、使用方法を誤ることで、頭皮に過度な刺激を与え毛根を傷つける場合もあります。
そのため、市販薬や育毛剤の使用には注意が必要です。
医師に相談してから使用することをおすすめします。
悪化を招く他の要因
かきむしりや強い刺激を伴う頭皮マッサージは、症状を悪化させるので避けましょう。
これらの行為は、頭皮や毛根に損傷を与える原因となります。
また、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れも良くありません。
治療法だけに頼らず、正しい生活習慣を意識することは大切です。
自宅でできる円形脱毛症セルフケア
円形脱毛症には、生活習慣の改善が有効な対処法として挙げられます。
ストレスや睡眠不足、栄養不足は脱毛症を悪化させる原因です。
ストレスを軽減するためにリラックスできる時間を作りましょう。
例えば、お風呂にゆっくり入ったり、音楽を聴いたりする時間を意識して作りましょう。
散歩をしたり、趣味に没頭することも大きなストレス発散となります。
規則正しい生活が重要
十分な睡眠時間を確保することも大切です。規則正しい生活リズムを作りましょう。
毎日同じ時間に布団に入るといいと言われています。
栄養不足を解消するためには、バランスの良い食事を心がけることが重要です。
特に、ビタミンB群や亜鉛、鉄分などの栄養素は、健康な髪の毛の成長に必要なものです。
栄養バランスを改善することで、毛髪の健康を維持することができます。
まとめ
自宅での対処法にはやはり限界があります。
改善が見られない場合には、皮膚科専門医に診てもらいましょう。
特に、脱毛がかなり進行している場合は早期に受診することをおすすめします。
皮膚科専門医のアドバイスがあれば、安心して治療にあたることができるでしょう。