AGA治療の切り札として高い効果が期待される「デュタステリド」。しかし、治療を考え始めたあなたが今、一番知りたいのはその効果よりも、むしろ「副作用」ではないでしょうか。

「性機能に影響は出ないか」「肝臓は大丈夫か」「飲み続けても安全なのか」…。インターネット上には様々な情報が溢れているので、かえって不安が増してしまったかもしれません。

この記事では、AGA治療を専門とする医師が臨床試験の具体的なデータ医学的根拠に基づいてお答えします。副作用の確率から、多くの人が驚く初期脱毛の真実、そして安全なやめどきまで知っておくべき全ての情報を網羅しました。

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この記事で説明する内容は?

デュタステリドの主な副作用と発生確率

デュタステリドの主な副作用と発生確率

デュタステリドの主な副作用とその発生確率について、具体的な臨床試験のデータを基に解説していきます。噂や個人の体験談ではなく、客観的な数値を知ることが冷静な判断への第一歩です。

性欲減退・ED

AGA治療薬の副作用として、最も多くの方が懸念されるのが性機能への影響でしょう。非常にデリケートな問題であり、治療に踏み切れない大きな理由の一つだと思います。

岩城製薬株式会社公式のデュタステリドカプセル0.5mgZA「イワキ」の添付文書では、以下のような国内で行われた臨床試験の結果が表示されています。

  • 性欲減退(リビドー減退): 3.9%~8.3%
  • 勃起不全(ED): 4.3%~10.8%
  • 射精障害(精液量の減少など): 1.3%~4.2%

これらの数値を見て、高いと感じるか低いと感じるかは人それぞれかもしれません。しかし、重要なのは、これらの数値を逆の視点から見ることです。

例えば、勃起不全の発生率が最も高い報告でも約11%ということは、100人中およそ89人以上の方には、この副作用は現れないを意味します。

さらに、これらの症状が現れた場合でも、多くは服用初期の一過性のものであったり、服用を中止することで回復することがほとんどです。パートナーとの妊活を検討されている場合は治療開始前に必ず医師に相談することが重要です。

肝機能障害

デュタステリドは、体内に吸収された後、主に肝臓で分解(代謝)されます。そのため、長期間服用を続けると肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こす可能性があります。

実際に、医薬品の添付文書にも「肝機能障害」や「黄疸」が重大な副作用として記載されていますが、その発生頻度は不明または極めて稀とされています。

肝機能障害のリスクがあるからこそ、信頼できるAGAクリニックでは治療開始前と治療中に定期的な血液検査を行い、肝臓の状態をしっかりとモニタリングします。万が一数値に異常が見られた場合でも、早期に発見し、休薬などの適切な対応をとることが可能です。

うつや気分の落ち込み

稀ではありますが、デュタステリドの服用によって、気分の落ち込みや「抑うつ」といった精神的な症状が報告されることがあります。その発生頻度は公式添付文書によると1%未満と非常に低いものです。

抑うつ気分の原因はまだ完全には解明されていません。最新研究によると、AGAの原因物質であるDHTが、脳内で気分を安定させる働きを持つ「神経ステロイド」の生成にも関与している可能性が報告されています。

そのため、デュタステリドの効果でDHTが減少することで脳内のホルモンバランスに影響が出る可能性が指摘されています。

もともとうつ病の既往歴がある方や、服用を開始してから気分の落ち込みが続くように感じる方は、速やかに処方医に相談してください。

乳房障害

乳房の痛みや圧痛、乳房が女性のように膨らむ「女性化乳房」といった症状です。発生率は1%未満と稀ですが、ホルモンバランスの変化が原因と考えられています。

もし乳房にしこりや普段と違う感覚があれば、すぐに医師の診察を受けてください。

皮膚症状

発疹やかゆみなどの過敏症が起こることがあります。こちらも発生率は1%未満または頻度不明です。

デュタステリドの副作用はどれほど怖い?

デュタステリドの副作用はどれほど怖い?

デュタステリドの副作用を正しく理解する上で最も重要なのは、上記で説明した「発生確率」を客観的に把握し、「適切な対策」を知ることです。

確かに、デュタステリドには副作用の可能性が報告されています。しかし、各種臨床試験のデータでは発生頻度は多くの方が漠然とイメージしているよりも低いのが実情です。

さらに重要なのは、これらの副作用の多くは専門医の指導のもとで適切に管理・対処が可能であるという点です。

この事実は、日本のAGA治療の指針である「日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」においても裏付けられています。このガイドラインで、デュタステリドの内服は有効性と安全性が高く評価され、最高ランクである「推奨度A(行うよう強く勧める)」に位置づけられています。

つまり、デュタステリドは、いたずらに副作用を恐れるべき薬ではありません。特性を正しく理解し、信頼できる医師と共に治療を進めることで、AGAに悩む多くの方にとって非常に強力な味方となる治療薬なのです。

デュタステリドが作用する仕組み

なぜデュタステリドに副作用の可能性があるのかを理解するために、まずは薬がどのように作用するのか、その仕組み(作用機序)から見ていきましょう。

AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、「5αリダクターゼ」という還元酵素の働きによって、より強力な「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されることが主な原因です。

このDHTが髪の毛の根元にある毛乳頭細胞の受容体と結合すると、髪の成長期が短縮され、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。これが薄毛の正体です。

デュタステリドは、この5αリダクターゼの働きを阻害することで、AGAの原因物質であるDHTが作られるのを防ぎます。特にデュタステリドは、5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方を強力にブロックするのが特徴です。

副作用の根本原因

ここが重要なポイントですが、副作用の根本原因も強力なDHT抑制作用そのものにあります。

DHTは、頭皮だけでなく、男性の性機能や皮脂腺など体の他の部分でも一定の役割を担っています。そのため、デュタステリドによって体全体のDHT濃度が大きく低下すると、一部の人では頭皮以外にも影響が及び、意図しない症状(副作用)として現れることがあるのです。

これは薬の毒性といったものではなく、主作用と表裏一体の、いわば「効きすぎ」による現象と理解すると分かりやすいかもしれません。

初期脱毛のメカニズム

デュタステリドの服用を始めてしばらくすると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることがあります。髪を増やしたくて治療を始めたのに、逆に抜け毛が増えるため、「薬が合わないのでは?」「悪化しているのでは?」と強い不安を感じる方が非常に多い現象です。

しかし、結論から言うと、この初期脱毛はAGAが悪化したのではなく、むしろ薬が効き始めている証拠、つまり良い兆候です。

デュタステリドを服用すると、DHTの産生が抑制されて毛根が活性化します。すると、新しい強く健康な髪の毛(成長期の毛)が毛穴の奥で生まれ、その新しい髪が古い髪を押し出す形で生えてきます。

この時に、古い髪が一斉に抜け落ちるのが初期脱毛の正体です。 「これは薬が効いている証拠だ」と理解し、医師の指示通りに服用を継続することが何よりも大切です。

デュタステリドを飲み続けることの安全性は?

デュタステリドを飲み続けることの安全性は?

デュタステリドは長期的な使用を前提として開発された薬です。臨床試験やその後の多くの治療実績から、医師の適切な管理下にあれば長期にわたって安全に服用を継続できることが示されています。

重要なのは、AGA治療は薬を飲み続けることでDHTの産生を抑制し、薄毛の進行を食い止める治療であるという点です。服用を自己判断で中止すれば、DHT濃度は元に戻り、AGAは再び進行し始めます。

そして、長期的な安全性を担保するために不可欠なのが、先ほども述べた定期的な血液検査などによる医師のモニタリングです。治療は単に薬をもらうことではなく、専門家による継続的な健康管理とセットであると考えることが、安心して治療を続けるための鍵となります。

ポストフィナステリド症候群(PFS)とは

インターネットなどで情報を集めていると、「ポストフィナステリド症候群(PFS)」という言葉を目にすることがあるかもしれません。これは、フィナステリドやデュタステリドといった5αリダクターゼ阻害薬の服用を中止した後も、性機能障害や精神症状などが長期間持続するとされる状態を指す言葉です。

まず知っておいていただきたいのは、このPFSという概念は、現在の医学界においてまだコンセンサスが得られていないという点です。明確な診断基準や原因、発生頻度なども確立されておらず、議論の途上にあるものだということです。

しかし、服用中止後も症状の持続を訴える方がいること自体は事実であり、その声は真摯に受け止めるべきです。

もし、デュタステリドの服用を中止した後に何らかの体調不良が続く場合は、「PFSかもしれない」と一人で悩まないでください。まずは専門の医師による慎重な診察を受け、他の原因も含めて総合的に診断してもらうことが最も重要です。

医師に副作用を相談すべきタイミングと対処法

医師に副作用を相談すべきタイミングと対処法

ここまで副作用について詳しく解説してきましたが、最後に「もし実際に副作用と思われる症状が出たらどうすればいいのか」お話しします。万が一の時でも、落ち着いて行動するための知識は治療を始める上での大きな安心材料になります。

最も重要な原則:自己判断で服用を中止しない

副作用が出た際に守るべき、最も重要な黄金律。それは「自己判断で服用を中止しない」ということです。

なぜなら、その症状が本当にデュタステリドの副作用なのか、あるいは一過性のものなのかは専門家でなければ判断が難しいからです。特に、初期脱毛のようにむしろ効果の表れであるケースもあります。

安易に服用を中止してしまうと、それまでの治療効果が失われ、非常にもったいない結果になりかねません。まずは、処方してくれた医師に連絡することが第一です。

医師に相談すべき症状とタイミング

では、どのような場合に医師に相談すべきでしょうか。以下のような症状が見られたら、一つの目安としてください。

  • 性機能の低下や気分の落ち込みが生活の質(QOL)に明らかに影響を及ぼしていると感じる
  • 乳房にしこりや痛み、分泌物など、普段と違う明らかな変化があった
  • 初期脱毛が、3〜4ヶ月を過ぎても一向に収まる気配がない、あるいはさらに悪化するように感じる
  • 体が常にだるい、食欲がない、皮膚や白目が黄色っぽくなる(黄疸)など肝機能の低下を疑わせるサインが見られた

「これくらいのことで相談してもいいのだろうか」とためらう必要はありません。あなたの不安や違和感は、医師にとって治療方針を考える上で重要な情報なのです。

相談後に医師が検討する選択肢

医師に相談すると、ただ「薬をやめましょう」と言われるだけではありません。あなたの状況に合わせて、様々な選択肢を検討します。

選択肢 注意点
経過観察 症状が軽微であれば、一時的なものである可能性を考慮し、しばらく様子を見ることもあります
一時的な休薬 症状が強い場合は、一度服用を中断して症状が改善するかどうかを確認します
対症療法 例えば、勃起不全(ED)の症状に対しては、デュタステリドの服用を続けながらED治療薬を併用するといった対策も可能
薬剤の変更 作用機序の異なるフィナステリドへの変更などを検討する

このように、専門医は様々なカードを持っています。副作用が出たからといって治療が終わるわけではないことを知っておいてください。

まとめ

今回は、デュタステリドの副作用について、その確率から原因、具体的な対処法までを詳しく解説しました。

この記事を通して、お伝えしたかった重要なポイントは以下の3つです。

  1. デュタステリドの副作用は確かに存在するが発生確率はデータで客観的に評価でき、多くの方が心配するほど高いものではない
  2. 初期脱毛は、治療がうまくいっている証拠で、乗り越えるべきポジティブなサイン
  3. 副作用は管理可能なリスクで、信頼できる専門医とのパートナーシップが最重要

副作用への不安を克服するための本当の第一歩は、治療を諦めることではありません。その不安を専門家に正直に打ち明け、正しい知識とサポートを得ることです。

あなたの懸念は正当なものであり、専門家と直接対話することでこそ解消されるべきです。

もし、デュタステリドによる治療を検討しており、ご自身の状況におけるリスクとベネフィットを正確に知りたいとお考えでしたら、ぜひ一度、大阪AGA加藤クリニックの無料カウンセリングにお越しください。

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