女性の薄毛

女性の薄毛・抜け毛の症状と対処法を解説

仕事を持つ女性が増える現代、家事や育児などによるストレス、晒される紫外線の影響などで、男性と同じように薄毛や抜け毛に悩む女性が世界的にも急増しています。

日本の女性でも薄毛や抜け毛に悩む方は1,000万人近くいると云われ、10人に1人が毛髪に悩みを抱えていることになります。

ここでは、“女の命”と云われる大切な毛髪について、薄毛・抜け毛の種類や原因から、その対処療法を探ってみました。

FAGAは実は単なる”男性版のAGA”ではありません。対策方法の違いを以下の記事で説明しています。

女性の薄毛の種類

女性の薄毛の種類

女性の薄毛症状FAGAは悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」が原因で発症します。

ジヒドロテストステロンは5aリダクターゼと男性ホルモン「テストステロン」が結合することで生成されます。

FAGAの症状はハミルトン・ノーウッド分類で上記イラストの9つに分けることができます。

FAGAは人それぞれ症状が異なります。

ジヒドロテストステロンの影響を受けやすい部分から薄毛が進行していきます。

女性はどのような薄毛症状があるのでしょうか。

びまん性脱毛症

FAGAとも呼ばれるびまん性脱毛症は閉経が近づいた頃、あるいは閉経後に発症する薄毛の進行を云います。

卵巣活動が終息する閉経期になってエストロゲンの分泌が減少すると、微量に分泌されていた男性ホルモンの影響で脱毛が多くなるのです。

ですから、男性のAGAのように急速に脱毛が進行することはなく、加齢に伴って徐々に薄毛が目立つようになって、頭皮全体の髪のボリュームが減ってきます。

このような女性特有の特徴から、「びまん性脱毛症」と呼ばれています。

“びまん“とは聞き慣れない言葉ですが、”何かが全体的に広がる”と云うような意味で、ここでは頭皮全体に広がる事を指しています。

びまん性脱毛症の原因、改善方法、クリニックでの治療費用については以下の記事で詳しく説明しています。

分娩後脱毛症

出産後、一時的に髪が抜けることがあるものの多くが、分娩後脱毛症です。

一般的に出産後6ヶ月から1年程度で自然に回復します。

男性型脱毛症(AGA)と異なり、脱毛部分の境界がはっきりしないのが特徴です。

分娩後脱毛症の原因、改善方法については以下の記事で詳しく説明しています。

脂漏性脱毛症

ホルモンバランスの異常などで過剰に皮脂が分泌されて、毛穴を塞ぎ、毛穴周辺に頭皮の常在菌が異常繁殖して、毛根が炎症を起こして脱毛する症状です。

脂漏性脱毛症の方は脱毛症で悩む方全体の1%にも満たないものです。

原因

一般的にホルモン作用が主な原因とされるのは脂漏性皮膚炎で、脂漏性脱毛症が酷くなると起こります。

でも脂漏性脱毛症は栄養のバランスや過剰なストレスが大きな要素となっています。

思春期の世代に比較的多く発症することからも、成長期の精神的不安定要素が引き金になっていることも否定できません。

対策

頭皮の炎症と皮脂の過剰分泌が治まるまで、刺激の少ないシャンプーなどで丁寧に皮脂を取り除き、頭皮の常在菌のバランスを保ちましょう。

ビタミンB群を含むほうれん草、魚介類、豆類、卵などを積極的に摂りましょう。

食物繊維を多く含むイモ類、海藻類、キノコ類などの野菜中心の食生活に切り替えて、脂肪分の多い肉類やナッツ類、スナック菓子などは避けましょう。

刺激の強い、たばこ、アルコール、コーヒーや、辛味・塩味・甘味の強いものは、できれば避けた方がよいでしょう。

ストレスをためないよう適度の運動と、ハイキングなどでリフレッシュすることも大切です。

激しい痒みや痛みを伴う場合は、速やかに皮膚科の診断を受け、外用抗真菌剤や抗ヒスタミン剤の投与を受けます。

どうしても必要な場合でも、ステロイド系薬剤(5段階強度で最も弱いWeakレベル、又はその一つ上のMildレベル)の処方に留めましょう。

牽引性脱毛症

ポニーテールやお団子ヘアと云った髪をまとめる髪形を長く続けて、前髪の生え際や分け目の髪が徐々に薄くなってゆく脱毛症で、年齢に関係なく、小児にも起こります。

原因

まとめ髪によって、髪の毛の固着力以上の強い力で引っ張られることで、毛包が委縮し、毛を作る細胞の働きが止まり、次第に新しい毛が生えなくなってきます。

エクステは自毛に髪を付け足すため、髪や頭皮にかなりの負担をかけます。

ヘアアイロンも、髪の毛を引っ張ります。

乱暴なブラッシングも髪や頭皮の負担になります。

対策

  • 髪を短くする
  • 髪を結ぶときは緩めに結ぶ
  • 髪を結ぶ時間を出来るだけ減らす

円形脱毛症

ある日突然、コインぐらいの大きさの脱毛を見つけ、自覚症状も前触れもなかっただけにショックは大きいものがありますね。

進行が止めば、大抵自然に治りますが、重症の場合は脱毛巣が拡がったり、複数出来たりすることもあります。

なりやすい体質もあり、折角改善しても再発することがあります。

年代的には4分の1が15歳以下で発症し、全体的に小児に多く見られます。頭髪が全体的に抜けて薄くなる「びまん性脱毛症」と違って、一定の範囲に限って脱毛するのが、「円形脱毛症」です。

円形脱毛症の原因、改善方法については以下の記事で詳しく説明しています。

女性の一時的な薄毛・抜け毛原因は?

男女に関わらず、薄毛・抜け毛を引き起こす大きな影響には「ホルモン」「環境」「生活習慣」の3つがあります。

昔から薄毛・抜け毛には遺伝的要素(体質)が深く関わっていると云われてきましたが、女性の薄毛・抜け毛の主要な原因にはならないと判っています。

ストレス

血流をコントロールしている自律神経をストレスが緊張させることで、血管が収縮し血流を悪くさせます。

ストレスが原因の血行不良によって、毛母細胞に十分栄養が送れなくなって、毛髪の成長に悪影響を及ぼすことになるのです。

その他にも、内臓機能の低下や不眠症、アドレナリンの過剰分泌など、いろんな不調をきたして、全身のエイジングにも悪影響を及ぼします。

意識的にストレス発散を心掛けるには、スポーツや趣味を持つことが有効ですよ。

偏った栄養バランス

栄養が不足したり偏ると、毛髪の成長が低下するので、バランスの良い食事は髪の成長に欠かせないものです。

毛髪の95%は18種類ものアミノ酸が結合して出来るケラチンというタンパク質から出来ています

ケラチンは年齢とともに減って行きます。

でもこれは加齢だけでなく、たばこやアルコール、不規則な食生活も原因となります。

ケラチンに限らず、栄養が不足したり偏ると、毛髪の成長が低下します。

バランスの良い食事は髪の成長に欠かせないものです。

特に髪と頭皮の活性化には、ビタミンB群や亜鉛を日常の食事と共に、サプリメントとして補うことをお勧めします。

過剰なダイエット

食事の量を極端に減らしたり、絶食などの急激な“間違ったダイエット”は、髪にはもちろん体のためにも良くありませんね。

脳や心臓など、生命維持の上で重要度の高い臓器に優先的に栄養素が送られます。

こうして髪に十分な栄養素が届かないと、ハリ・コシ・ツヤと言った髪質が悪くなるだけでなく、薄毛・抜け毛を引き起こします。

ですから、無理な食事制限を避け、運動を取り入れながら健康的なダイエットに取り組みましょう。

たばこやアルコール

たばこに含まれるニコチンは中枢神経に作用し、興奮物質のドーパミンを分泌させて気分を高揚させるので頭が覚醒し、ひと時の安息効果をもたらしてくれます。

すると自律神経の中の交感神経の働きが活発になって、毛細血管が収縮して筋肉が緊張し、高揚感が高まります。

この状態が頻繁に続くと血管収縮によって、頭皮への栄養不足が髪の毛の成長を妨げてしまいます。

だから、たばこは薄毛・抜け毛の原因となるのです。

お酒を飲むことで、アルコールを分解する肝臓への負担が大きくなります。

肝臓は血液中を流れる栄養素の調整なども行っているので、その肝臓が疲弊すると血中コレステロール値のバランスを崩してしまいます。

肝臓の負担が増えることで、頭皮に行き渡る栄養や血液にも影響を受けるので、髪の成長に悪い影響を与えます。

紫外線によるダメージ

お肌の紫外線対策には敏感な女性も、髪の毛を意識している方は少ないようです。

でも、毛母細胞が紫外線のダメージを受けると、頭皮が日焼けや乾燥を起こして、抜け毛の原因となることは意外と知られていません。

日差しが当たる頭頂部は、帽子や日傘などで頭皮を外出時の紫外線から守るようにしましょう。

紫外線が髪に与える影響、対応方法について詳しくは以下の記事で詳しく説明しています。

ヘアケア製品によるダメージ

環境で髪に影響を与えるものとして、問題とされる紫外線などの環境要因のほかに、普段使用しているヘアケア製品による刺激も原因となっています。

髪に良かれと使ったのに、成分や使い方によって逆効果になる恐れもあるので注意が必要です。

カラーリングやパーマ、落ち切れずに残ったスタイリング剤、ドライヤーの熱などでも髪のダメージが強くなります。

女性にとって欠かせない、パーマやカラーリング、ヘアアイロンなどは髪にとってはダメージを与え易いものですから、使い方や選び方に注意が必要です。

まとめ

薄毛や脱毛が気になったら、ひとりで悩んでストレスをため込まないよう、早めにAGAやFAGA専門治療クリニックに相談してみてください。

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