この記事で説明する内容は?
植毛治療は、文字通り皮膚に「毛を植える」治療です。
以前は薄毛の治療と言えば植毛治療が中心でした。
最近は内服薬による発毛治療の人気が大きくなってますが、それでも即効性がある植毛治療を検討する方は少なくありません。
でも、自毛植毛や人工毛植毛などの種類や費用、痛み、10年後でも効果が続くのかなど疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
実は、自毛植毛で健康な部分から移植した髪はAGAが進行しても元気な髪を維持できます。
自毛治療と人工毛治療の違い、メリット・デメリットについてわかりやすく説明します。
学会のガイドラインでも推奨されている自己毛治療の治療プロセスについても説明しています。
総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
自毛植毛とは?
自毛植毛は、後頭部や側頭部の髪の毛を薄毛の箇所に移植する方法です。
自分の毛髪を使うので移植先でも炎症を起こしにくく、長期的な効果が得ることができます。
ただし、植え付けた髪のヘアサイクルによっては、すぐにその部分がフサフサになるとは限りません
しっかりと生え揃うまでに約1年~1年半程の期間が必要です。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版で“行うよう勧められる”と発表されました。
自毛植毛は今生えている別の箇所の髪を採取するので、植毛できる量は限られてしまいます。
自毛植毛のメリット
- 移植した髪は薄毛になりにくい
- もともと髪のない部位にも移植できる
- 髪の質感が地毛となじむ
- 術後のメンテナンスが不要
自毛植毛のデメリット
- 方法によっては術後のダウンタイム期間に痛みが出る可能性がある
- 薄毛の進行具合によっては、自毛植毛を受けられない
- 他の薄毛治療法に比べ費用が高くなる傾向がある
- 生え際が不自然になりやすい(前髪と後頭部の髪質が違うので)
- 瘢痕(植え込み術後の傷の赤み)が残るかもしれない
- 毛の密度が一定の間隔で空いてしまう
自毛職場の費用は?
自毛植毛の費用相場は70万円から150万円程度です。
クリニックや施術方法により費用は変動します。
自毛植毛を含めて様々なAGA治療の費用相場について、詳しくは以下の記事で説明しています。
一旦生着すればメンテナンスコストはありません。
自毛植毛であれば一度の施術で済むので、費用の安い海外で自毛植毛を受ける方も少なくありません。
海外でのAGA治療の実態、危険性、注意点については以下の記事で詳しく説明しています。
自毛植毛後の髪の寿命は?
自毛植毛を行った髪の寿命は、基本的に通常の毛髪と違いはありません。うまく定着すれば10年後も健全な状態を保てます。
通常の髪にも寿命は存在し、一般的には髪の寿命は2年から6年と言われています。 髪の成長には「成長期」「退行期」「休止期」の3つのサイクルがあり、毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれています。
ヘアサイクルについてはこちらの記事で解説しています。
自毛植毛で移植した毛髪は、時間とともに血小板の働きで自分の頭皮と接着され、毛細血管が形成されます。
毛細血管ができると血液が行き渡り、栄養を受け取れるようになります。
AGAだから植毛後の髪もAGAに?
AGAの症状で自己植毛の毛髪が脱毛することはほとんどありません。
AGAの影響を受けづらい後頭部や側頭部の髪を採取して、移植しているからです。
初期は髪が抜けてしまう?
実は、自毛植毛した髪の多くは、1~3ヶ月程度で短いまま抜け落ちます。 この現象を「一時的脱落」と呼ばれている自然な現象です。 原因は、移植した細胞が生着した際に、ヘアサイクルがリセットされるためです。 新たな毛髪が作りだされ始めるので、移植した時の毛髪が抜けてしまうのです。
自毛植毛の方法
自毛植毛では、毛髪を「毛包」と呼ばれる組織ごと採取します。
「毛包」とは毛根を包む組織です。
自毛植毛では毛包を数える単位、また毛包そのものを「グラフト」または「株」と呼びます。
薄毛の具合によって、採取するグラフト数は変わります。
自毛植毛は基本的に以下の手順で行われます。
- グラフトの採取
健康な毛髪を「毛包」ごと採取します。大きく分けて「FUE法」「FUSS法」の2つの方法があります。 - 気になる薄毛の部分に1mmほどの小さいホールを開けます。
- グラフトの移植
ピンセットでグラフトをつかみ植え付けます。
自毛植毛の術式FUE法・FUSS法比較
自毛植毛には大きく「FUE法」「FUSS法」の2つの方法があります。
グラフトの採取方法が異なることが特徴です。
FUE法 | FUSS法 | |
---|---|---|
グラフト採取 | 直径1mm前後のパンチブレードで1株ずつ採取する | 頭皮を帯状(約10~20cm)に切除した後に手作業で1株ごとに切り分ける |
術後の痛み | 比較的少ない | 痛みがあり、1週間強は仰向けに寝るのが困難 |
傷跡 | FUSS法と比較して目立ちにくい | 後頭部に線状の長い傷跡が残る |
費用 | FUSS法よりも採取の難易度が高くやや高額 | FUE法より低額 |
人工毛植毛とは?
人工毛植毛は人工の毛を植えます。
人工の毛髪を使うわけですから、ドナー(植毛のもとになる髪の毛)の量を気にすることなく好きなだけ移植が出来ます。
人工毛を植毛した場合、体にとって人工毛は異物にあたるので拒絶反応として炎症を起こす可能性があります。
そのため、男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では非推奨とされています。
年1~2回の定期的なメンテナンス(毛の追加)が必要となります。
人工毛植毛1,000本で30万円ほどが相場です。
人工毛植毛のメリット
- 好きな本数好きな範囲で植毛できる
- 自毛植毛より施術費用が安い
- 施術の痛みが少ない
人工毛植毛のデメリット
- 術後に炎症を起こす場合がある
- 質感、色味が不自然になることがある
- 植えられた髪は伸びない
- 定期的にメンテナンスが必要
自毛植毛と人工毛植毛比較一覧
比較項目 |
自毛植毛 |
人工毛植毛 |
---|---|---|
即効性 |
△ |
◎ |
対応できる本数 |
△~〇 |
◎ |
効果の永続性 |
〇 |
△ |
身体への負担 |
◎ |
△ |
髪の質感 |
◎ |
〇 |
生え際の自然さ |
△ |
〇 |
瘢痕 |
△ |
〇 |
施術費用 |
△ |
〇 |
ランニングコスト |
〇 |
△ |
なぜ自己植毛は経験豊富なクリニックを選ぶべきか?
植毛治療は増毛や育毛とは違い手術が必要で、専門の医療機関で行います。
人工毛植毛と自毛植毛の2種類どちらの方法も一長一短があるので、自分の薄毛状況、予算に合わせてよく検討しましょう。
後頭部の髪と生え際の髪は太さと硬さが全く異なります。
それで、自毛植毛手術であっても、生え際からいきなり後頭部などから移植した太い髪が生えると不自然な生え際になることがあります。
植毛手術で自然な生え際で仕上げるには、細い移植毛だけを生え際に移植しなければなりません。
そのためには、全体の構成を考えて移植できるドクターのスキルと患者の忍耐が必要です。
まとめ
昔は薄毛治療というと、植毛手術を勧めるクリニックがほとんどでした。
しかし、現在の発毛医療はどんどん進歩しています。
植毛手術をすることなく発毛させることが十分可能です。
大阪AGA加藤クリニックでは、内服薬治療、外用薬治療、注入治療など様々な薄毛治療をご提案することができます。
いきなり植毛術に頼るのではなく、投薬治療や注入治療によって自然に発毛させる治療を推奨しています。