フィナステリドとデュタステリドの違いは?AGA治療医が効果・副作用・費用・選び方を徹底比較!

記事のポイント
- フィナステリドは長い実績と豊富なデータを持ち、比較的安全性が高く、コストパフォーマンスに優れた王道の選択肢
- デュタステリドは、より強力な作用で高い発毛効果が期待でき、進行したAGAや効果を最優先したい場合の切り札的選択肢
薄毛の治療を調べ始めると、必ずと言っていいほど目にする「フィナステリド」(商品名:プロペシア)と「デュタステリド」(商品名:ザガーロ)という2つの治療薬。どちらもAGA(男性型脱毛症)治療の柱となる薬ですが、「一体どちらが自分に合っているのだろう?」と、その違いが分からず悩んでしまう方は少なくありません。
この記事では、AGA治療を専門とする医師の立場から、これら2つの薬の根本的な違いを科学的根拠に基づいて徹底的に解説します。効果の差から副作用のリスク、費用面まで、あなたが知りたい全ての情報を網羅し、最適な治療を選択するための確かな知識を提供します。
この記事を読み終える頃には、ご自身の状況に合わせた治療の方向性が見えて次の一歩を踏み出せるようになっているはずです。
月間300人以上の来患実績を誇る大阪AGA加藤クリニックでAGA治療を始めませんか?無料カウンセリングで最適な治療法を見つけましょう。LINEでの予約はこちらから
- フィナステリドとデュタステリドの違いは?
- 日本皮膚科学会も最高評価の信頼できる治療の選択肢
- 抜け毛の犯人はDHT
- デュタステリドとフィナステリドの効果比較
- 本当にデュタステリドの発毛効果はフィナステリドの約1.6倍?
- 生え際・M字にも強い?薄毛のタイプ別で見る効果の違い
- いつから効果が出る?
- 【副作用と安全性】フィナステリドとデュタステリドのリスクは?
- 性機能への影響は?勃起不全(ED)や性欲減退の頻度
- ポストフィナステリド症候群(PFS)とは?
- フィナステリドとデュタステリドの費用・コスパを比較
- あなたに合うのはフィナステリド?デュタステリド?
- AGA治療が初めてで、まずは安全に始めたい
- 薄毛が進行しており、より高い効果を期待
- 副作用のリスクが特に心配
- フィナステリドで効果が頭打ちになった
- まとめ
フィナステリドとデュタステリドの違いは?
「フィナステリド」(商品名:プロペシア)と「デュタステリド」(商品名:ザガーロ)は、どちらもAGAの原因であるDHTの生成を抑える薬です。具体的には、テストステロンをDHTに変える変換酵素「5αリダクターゼ」の働きを阻害します。
この働きにより、ヘアサイクルが正常化し、抜け毛が減って髪の毛が本来の寿命を全うできるようになるのです。
この2つの薬の最も大きな違いは、5αリダクターゼをブロックする「範囲」にあります。実は、5αリダクターゼにはI型とII型の2種類が存在します。
- フィナステリド:主に毛乳頭に多く存在するII型の5αリダクターゼを阻害します。
- デュタステリド:I型とII型の両方を強力に阻害します。
この作用範囲の違いが、効果の強さや副作用の傾向に影響を与えます。
例えるなら、フィナステリドがAGAの主戦場である頭頂部や前頭部に集中する敵(II型)を狙い撃ちする専門部隊だとすれば、デュタステリドは側頭部などにも存在する敵(I型)も含めて、より広範囲を制圧する特殊部隊のようなイメージです。
日本皮膚科学会も最高評価の信頼できる治療の選択肢
AGA治療を始めるにあたり、その治療法が医学的に信頼できるものなのかは非常に重要です。その点で、フィナステリドとデュタステリドは、日本の皮膚科学の権威である日本皮膚科学会が策定した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」において、共に推奨度「A(行うよう強く勧める)」という最高の評価を受けています。
この評価は、数多くの臨床試験の結果を基に、その有効性と安全性が専門家によって認められていることを意味します。巷にあふれる育毛剤やサプリメントとは異なり、これらは科学的根拠に基づいた「治療薬」です。
AGAに悩む方が最初に検討すべき、最も信頼性の高い選択肢であると言えるでしょう。この事実を知ることは、治療への不安を和らげ、前向きな一歩を踏み出すための大きな安心材料となります。
抜け毛の犯人はDHT
AGAによる薄毛の主な原因は、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という強力な男性ホルモンです。DHTは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、頭皮などに存在する「5αリダクターゼ」という変換酵素と結びつくことで生成されます。
生成されたDHTが、髪の毛の根元にある毛乳頭細胞の受容体と結合すると、髪の成長期が強制的に短縮されてしまいます。健康な髪は通常2~6年の成長期を経て太く長く育ちますが、DHTの影響を受けると数ヶ月から1年程度で成長が止まり、十分に育たないまま抜け落ちてしまうのです。
このサイクルが繰り返されることで、髪の毛は徐々に細く、短くなり(ミニチュア化)、地肌が目立つようになっていきます。
デュタステリドとフィナステリドの効果比較
治療薬を選ぶ上で最も気になるのが「効果」の違いでしょう。「デュタステリドはフィナステリドの1.6倍効果がある」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
このセクションでは、その根拠となるデータや、薄毛のタイプによる効果の違い、そして治療開始後のタイムラインについて詳しく見ていきます。
本当にデュタステリドの発毛効果はフィナステリドの約1.6倍?
「デュタステリドの発毛効果はフィナステリドの約1.6倍」という記述は、複数の海外臨床試験の結果に基づいています。これは、一定期間薬を服用した後、頭皮の特定の範囲(例:直径1インチの円内)における毛髪の本数がどれだけ増加したかを比較した研究から導き出された数値です。
例えば、インドの医学雑誌Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprologyに掲載された臨床試験では、デュタステリド0.5mgを服用したグループは24週間(6カ月)後に毛髪密度が平均で1平方センチメートルあたり23.1本増加したのに対し、フィナステリド1mgを服用したグループは同4.3本の増加でした。
このように、デュタステリドはフィナステリドよりも毛髪を増やす効果が高いことがデータで示されています。この効果の差は、デュタステリドがI型とII型の両方の5αリダクターゼを阻害し、より強力にDHTの生成を抑制することに起因します。
生え際・M字にも強い?薄毛のタイプ別で見る効果の違い
AGAの進行パターンは人それぞれですが、特に生え際(M字部分)や前頭部の薄毛に悩む方は多いのではないでしょうか。5αリダクターゼのI型は側頭部や後頭部、II型は前頭部や頭頂部に多く分布しているとされています。
フィナステリドは主にII型を阻害するため、頭頂部の薄毛に高い効果を発揮します。
一方、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害するため、頭頂部に加えて、前頭部や生え際の後退に対しても、より高い効果が期待できると考えられています。薄毛が気になる部位によって、どちらの薬がより適しているかが変わる可能性があるのです。
いつから効果が出る?
フィナステリドもデュタステリドも、服用してすぐに髪が生えてくるわけではありません。効果を実感するには、根気強い継続が必要です。
一般的に、服用を開始して3ヶ月ほどで抜け毛の減少といった初期の変化を感じ始めます。そして、6ヶ月から1年ほど継続することで、見た目にも明らかな毛髪の太さや密度の改善が期待できます。
治療開始後1~2ヶ月の間に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。しかし、これは乱れたヘアサイクルが正常化する過程で古い髪が新しい髪に押し出されるために起こる現象です。
効果が出始めている証拠でもあるため、自己判断で服用を中止しないようにしましょう。
【副作用と安全性】フィナステリドとデュタステリドのリスクは?
AGA治療薬を検討する上で、効果と同じくらい重要なのが副作用のリスクです。特に性機能への影響や、稀に報告される「ポストフィナステリド症候群」について不安を感じる方もいるでしょう。
ここでは、リスクを正しく理解し、安心して治療に臨むための客観的な情報を提供します。
性機能への影響は?勃起不全(ED)や性欲減退の頻度
フィナステリドとデュタステリドの副作用として最もよく知られているのが、性機能に関するものです。具体的には、性欲減退、勃起不全(ED)、射精障害などが報告されています。
国内外の臨床試験データによると、これらの副作用の発生頻度は服用者全体の数パーセントとされています。決して頻度が高いわけではありませんが、ゼロではないリスクです。
一般的に、より強力にDHTを抑制するデュタステリドの方が、フィナステリドに比べて副作用の発生率がわずかに高い傾向があると報告されています。ただし、これらの症状は服用を続けるうちに軽減・消失することや服用を中止すれば改善することがほとんどです。
ポストフィナステリド症候群(PFS)とは?
インターネットなどで情報を集める中で、「ポストフィナステリド症候群(PFS)」という言葉を目にして不安になった方もいるかもしれません。PFSとは、フィナステリド(またはデュタステリド)の服用を中止した後も、性機能不全や精神症状、身体症状などが持続すると主張される症状群のことです。
まず知っておくべきは、PFSの存在や原因については、現時点で医学的なコンセンサスが得られていないということです。一部の研究では神経ステロイドへの影響などが原因として考察されています。
一方で、副作用への強い不安感が症状を引き起こす「ノセボ効果」や、元々の心理的要因が影響している可能性を指摘する専門家もいます。
この問題が非常に複雑であるからこそ、専門医の役割が重要になります。自己判断で個人輸入した薬を服用するのは極めて危険です。
信頼できるクリニックで医師の診察を受け、正しい情報提供のもとで治療を開始し、服用中に何か変化があればすぐに相談できる体制を整えることが安全な治療への何よりの鍵となります。
フィナステリドとデュタステリドの費用・コスパを比較
AGA治療は長期的に継続することが前提となるため、費用は非常に重要な要素です。ここでは、薬の種類による価格の違いや、月々の費用の目安について解説します。
フィナステリドには「プロペシア」、デュタステリドには「ザガーロ」という先発医薬品があります。これらに加えて、先発医薬品の特許が切れた後に製造・販売される「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」が存在します。
ジェネリック医薬品は、有効成分や効果、安全性が先発医薬品と同等であることが国によって認められており、開発コストが抑えられる分、価格が大幅に安く設定されています。長期的な治療において、ジェネリック医薬品の選択は経済的負担を大きく軽減する賢い選択肢と言えるでしょう。
以下に、一般的な月額費用の目安をまとめました。クリニックによって価格は異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。
薬剤 | タイプ | 1ヶ月あたりの費用目安 |
---|---|---|
フィナステリド | 先発薬 (プロペシア) | 7,000円 – 8,500円 |
ジェネリック | 4,500円 – 7,000円 | |
デュタステリド | 先発薬 (ザガーロ) | 9,000円 – 12,500円 |
ジェネリック | 5,000円 – 8,000円 |
表からも分かるように、ジェネリック医薬品を選ぶことで、月々の費用を抑えることも可能です。
あなたに合うのはフィナステリド?デュタステリド?
ここまで解説してきた効果、副作用、費用の違いを踏まえ、具体的にどのような方がどちらの薬を選ぶべきか、4つの代表的なケースに分けてガイドします。これはあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は必ず医師との相談の上で行ってください。
AGA治療が初めてで、まずは安全に始めたい
推奨:フィナステリド(ジェネリック)
AGA治療が初めての方には、まずフィナステリドから開始することをお勧めする場合が多いです。その理由は、AGA治療薬として長年の使用実績があり、安全性に関するデータが豊富であること、そして副作用のリスクがデュタステリドに比べてわずかに低い傾向にあるためです。
また、薬の成分が体から抜けるまでの時間(半減期)が約6~8時間と短いため、万が一副作用が出た場合でも、服用を中止すれば速やかに症状が改善しやすいというメリットもあります。
安価なジェネリックがあるため、経済的な負担を抑えて治療をスタートできる点も大きな魅力です。
薄毛が進行しており、より高い効果を期待
推奨:デュタステリド(ジェネリック)
すでに薄毛が中等度以上に進行している方や、より力強い発毛効果を求める方にはデュタステリドが適している可能性があります。デュタステリドは、フィナステリドでは抑制できないI型の5αリダクターゼもブロックするため、より強力にDHTの生成を抑え、高い発毛効果が期待できます。
特に、改善が難しいとされる生え際やM字部分の薄毛に対して、より良い結果をもたらす可能性が報告されています。
副作用のリスクが特に心配
推奨:フィナステリド(ジェネリック)
副作用のリスクをできるだけ避けたいと考える方には、フィナステリドがより安心な選択肢となるでしょう。前述の通り、半減期が短いことが大きな理由です。
デュタステリドの半減期は3~5週間と非常に長いため、副作用が出た場合に症状が長く続いてしまう可能性があります。まずはフィナステリドで治療を開始し、体の反応を見ながら慎重に進めていくのが良いでしょう。
医師と相談の上、推奨用量より少ない量から始めるという選択肢もあります。
フィナステリドで効果が頭打ちになった
推奨:デュタステリドへの切り替えを検討
フィナステリドを1年以上継続しても十分な効果が得られない、あるいは効果が頭打ちになってしまったという場合にはデュタステリドへの切り替えが有効な次の一手となります。フィナステリドが効きにくい体質の方でも、より作用範囲の広いデュタステリドに変更することで改善が見られるケースは少なくありません。
もちろん、この切り替えは自己判断で行うのではなく、必ず医師の診察を受けて適切な指導のもとで行う必要があります。
まとめ
フィナステリドとデュタステリド、どちらを選ぶべきか。この記事を通して、その答えは一つではないことをご理解いただけたかと思います。
- フィナステリドは、長い実績と豊富なデータを持ち、比較的安全性が高く、コストパフォーマンスに優れた「王道の選択肢」。
- デュタステリドは、より強力な作用で高い発毛効果が期待でき、進行したAGAや効果を最優先したい場合の「切り札的選択肢」。
どちらがあなたにとっての「最善の薬」となるかは、AGAの進行度、薄毛のタイプ、体質、そして何よりあなた自身が治療に何を求めるかによって決まります。
大切なのは、インターネットの情報だけで判断せず、専門家である医師に相談することです。あなたの髪と頭皮の状態を正確に診断し、健康状態やライフプランを考慮した上で最適な治療計画を一緒に立てていくのが、後悔のないAGA治療の第一歩です。
大阪AGA加藤クリニックでは、無料カウンセリングを実施しております。あなたの悩みや不安を、まずは私たち専門家にお聞かせください。一緒に、自信を取り戻すための最適な道筋を見つけていきましょう。
私たちは、あなたの勇気を全力でサポートします。LINE予約はこちら
よくある質問
- フィナステリドとデュタステリドは併用できますか?
いいえ、併用はできません。フィナステリドとデュタステリドは同じ系統の作用機序を持つ薬であるため、一緒に服用すると効果が増強されるわけではなく、副作用のリスクが不必要に高まるだけです。治療薬はどちらか一方を選択し、医師の指示に従って正しく服用してください。
効果が不十分な場合には、もう一方の薬への「切り替え」を検討しますが、これも必ず医師の指導のもとで行います。
- 治療効果が出て満足したら、薬をやめてもいいですか?
AGAは進行性の脱毛症であり、現在のところ完治させる治療法はありません。フィナステリドやデュタステリドは、服用している間だけ薄毛の進行を抑える効果があります。そのため、服用を中止すると再びDHTの働きが活発になり、時間をかけて治療前の状態に戻ってしまいます。
満足のいく状態を維持するためには、医師と相談の上で減薬などを検討することはありますが、基本的には継続的な服用が必要となります。
- ジェネリック医薬品は本当に先発薬と同じ効果があるのですか?
はい、同じ効果が期待できます。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含んでおり、効果や安全性が同等であることが国の厳しい審査によって証明されています。
品質管理も厳格に行われているため、安心してご使用いただけます。長期にわたるAGA治療において、経済的負担を軽減しながら効果的な治療を続けるために、ジェネリック医薬品は非常に有効な選択肢です。