この記事で説明する内容は?
植毛手術を検討している方は、術後のダウンタイムが気になるでしょう。
「ダウンタイム中にどのような症状が出るのか?」「どのくらいの期間で仕事や日常生活に戻れるのか?」と不安に思うかもしれません。
この記事では、ダウンタイムの症状や注意すべきポイントについて詳しく解説します。植毛を検討している方は、安心して手術に臨める情報を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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総合頭髪治療を専門とする大阪AGA加藤クリニックグループ総院長 加藤です
臨床的に効果が認められた様々な薄毛・脱毛に有効な最先端の治療を得意としています
平成13年 近畿大学医学部 卒業
平成13年 大阪医科大学医学部付属病院 形成外科入局 麻酔科勤務
平成17年 大手美容外科 形成外科部長 植毛部門勤務
平成23年 大阪AGA加藤クリニック開業
日本形成外科学会 正会員
日本再生医療学会 正会員
国際抗老化再生医療学会 正会員
植毛のダウンタイムとは?
植毛のダウンタイムとは、植毛術後に体が回復するまでの期間を指します。ダウンタイムを通じて、移植した毛髪が頭皮にしっかりと定着することが期待されます。
この期間中は、手術により頭皮に負担がかかっているため、一定の時間をかけてダメージを回復させる必要があります。
植毛のダウンタイムは、患者一人ひとりの体質や手術の規模によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度です。この間、頭皮への強い刺激を避け、クリニックからの指示に従った適切なケアが重要です。
植毛のダウンタイムに起こりうる症状
植毛のダウンタイム中には以下の症状があらわれることがあります。
- 頭皮の感覚の鈍さや違和感
- 手術後の痛みと腫れ
- 出血とかさぶたの形成
- 痒みと炎症
- ショックロス(脱毛)
それぞれの症状の詳細を解説します。
頭皮の感覚の鈍さや違和感
植毛手術後に感じられる、頭皮の感覚の鈍さや違和感は、多くの方が経験する一時的な症状です。
これは、移植手術の際に小さな切開やパンチによって頭皮の神経が一時的に損傷されるために起こります。特に、移植を行った部位やドナー部位(毛髪を採取した部分)でこの感覚が強く現れることが多いです。
感覚の鈍さや違和感は通常、数日から数週間で自然になくなりますが、長期にわたるケースもあります。例えば、神経の再生には時間がかかるため、完全に感覚が戻るまでに数カ月かかることもあります。
専門医による適切なフォローアップを受けることが重要です。
手術後の痛みと腫れ
手術後の麻酔が切れた後、手術を受けた部位やその周辺に痛みを感じることがあり、これに伴い腫れが起こることがあります。痛みの程度は、手術の規模や個人の耐性によって異なります。
通常は軽度で、市販の鎮痛剤で十分に対処できる場合がほとんどです。
腫れは特に手術後の2〜3日目にかけて最も強く現れることが多いです。これは手術によって生じた微細な血管損傷やリンパ液の滞留が原因です。
腫れは数日で自然に引きますが、額や目の周辺にまで広がることもあります。通常は5日程度で落ち着きますが、腫れが長引いたりひどくなったりする場合は、担当医に相談してください。
出血とかさぶたの形成
手術後に軽い出血が発生することもあります。特に、移植した毛髪の周辺やドナー部分から数日間にわたって少量の出血が見られることがあります。
これが止まると、出血があった箇所にかさぶたが形成されます。かさぶたは体の自然な治癒反応です。
かさぶたが形成されることで患部が保護され、感染リスクが軽減されます。そのため、かさぶたは無理に剥がさないようにしましょう。
無理に触れると、感染を引き起こしたり、治癒過程が遅れる可能性があります。かさぶたが自然に取れるまで待ち、清潔な環境を保つことが早期回復につながります。
痒みと炎症
頭皮にかさぶたが形成されると、痒みが現れることがよくあります。これは、皮膚が治癒している過程で起こる正常な反応です。
しかし、かいてしまうことで頭皮にダメージを与え、炎症が悪化することもあります。
特に移植した毛髪が定着する初期段階では、頭皮に刺激を与えないように注意が必要です。炎症を防ぐためには、適切なアフターケアが重要であり、炎症が長引く場合にはすぐに専門医に相談しましょう。
ショックロス(脱毛)
ショックロスとは、移植された毛髪が一時的に抜け落ちる現象を指します。手術後約1〜3カ月の間に起こることが多く、この期間中に移植された毛やその周辺の健康な毛も一時的に抜けることがあります。
この現象は、移植された毛髪が新しい環境に順応し、生え変わる過程で起こる自然な反応です。
ショックロスが起こった後、新しい毛髪が徐々に生えてくるため、心配する必要はありません。
髪の成長サイクルには個人差があるため、一時的な抜け毛に動揺せず、成長を見守ることが大切です。ただし、抜け毛が想定以上に多い場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。
植毛のダウンタイムはどのくらいかかる?
植毛のダウンタイムは手術後の体の回復期間を指します。体質や手術の規模、方法によって異なりますが、一般的には数日から1カ月程度で通常の生活に戻ることができます。
手術後の経過を段階的に見ていきましょう。
手術当日が痛みのピーク
植毛手術自体は局所麻酔を使用して行われるため、施術中は痛みを感じませんが、麻酔が切れた後に鈍い痛みや頭皮の違和感が現れることがあります。
多くの患者は、鎮痛剤を服用することで痛みを軽減できます。耐え難いほどの痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、痛みや腫れが頭皮全体に広がる場合もあり、特に夜間に感じることが多いです。このため、手術当日はなるべく安静にし、頭を少し高くして寝ることで痛みの軽減が期待できます。
2日後~1週間後はダウンタイム
手術から2日目以降、痛みや腫れは徐々に和らぎ、日常生活に少しずつ戻ることができます。しかし、まだ完全に回復していないため、移植部分やドナー部分のケアが重要です。
かさぶたができるこの時期は、頭皮を優しく扱い、過度な刺激を避けるようにしましょう。特に、シャンプーを使用する際は低刺激の製品を使い、頭皮を優しく洗うようにしましょう。
クリニックによっては、5〜7日目に経過観察のための診察を行うこともあります。
1カ月後には通常の生活が可能
手術後1カ月が経過すると、多くの方が通常の生活に戻ることができます。この時期には、手術前のように外見上も違和感が少なくなり、ほとんどの生活活動に制限がなくなります。
運動やシャンプー、整髪料の使用も通常通り再開できる時期です。また、移植した毛髪は徐々に生着し、自然に抜け落ちてから新しい髪が生え始める「ショックロス」が始まっている可能性もあります。
1カ月後の診察で、移植部の定着状態や毛髪の成長を確認することが一般的です。
ダウンタイム中に注意すべきこと
植毛手術後のダウンタイムは、頭皮や移植された毛髪が回復し、定着するための重要な期間です。この期間中、適切なケアを行うことで、回復を早め、トラブルを避けることができます。
ダウンタイム中に注意すべきポイントを解説します。
頭皮を刺激しない
植毛の手術後、大切なことは頭皮に対して物理的な刺激をできる限り避けることです。手術直後は、移植された毛根がまだ不安定な状態にあります。
以下のような動作は、移植毛が定着する前に抜け落ちるリスクを高めます。
- 頭皮をこする
- 強く触る
- 髪を引っ張る
移植された毛は小さな穴に植え込まれているため、強い圧力が加わることで傷口が広がり、出血や炎症を引き起こす可能性があります。
入浴時に気を付けるべきこと
手術後すぐに熱いお湯に長時間浸かることは避けるべきです。熱によって血行が促進されることで、頭皮の腫れや出血が悪化する可能性があります。
特に、植毛手術後の数日間は、シャワーだけにとどめ、ぬるま湯を使って洗髪や体の洗浄を行いましょう。
また、シャワーの水圧も強すぎないように気をつける必要があります。水流が強すぎると移植部に刺激を与え、毛根が安定する前にダメージを与える可能性があるからです。
シャンプーで頭を洗う際にも注意が必要です。術後の初期段階では、シャンプーを避けるか、クリニックで指示された低刺激のシャンプーを使いましょう。
頭皮を強くこすらず、軽く指の腹で撫でるように洗います。
手術から1週間ほど経つと、入浴も徐々に再開できます。しかし、長風呂やサウナなどはまだ避ける方が良いでしょう。
特に頭皮が完全に回復するまでの期間は、できるだけ頭皮に過度な負担をかけないようにする必要があります。
飲酒や喫煙
手術後の飲酒と喫煙は、回復を遅らせる要因となるため、少なくとも術後2週間は避けるべきです。
飲酒に関しては、アルコールが血行を促進させることで、出血が止まりにくくなり、腫れが長引く原因となる可能性があります。さらに、アルコールは血管を拡張させ、傷口の治癒を妨げるリスクもあります。
手術直後のデリケートな期間には、飲酒を控えることが重要です。
また、喫煙は毛根への血流を妨げるため避けるべきです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、毛根に十分な酸素と栄養が行き渡らなくなります。
タバコにより、移植毛の定着が妨げられ、最終的な生着率が下がる可能性があります。
手術後2週間程度の禁煙が推奨されていますが、できるだけ禁煙期間を延ばすことが望ましいです。喫煙がどうしても止められない場合は、専門医と相談のうえ、禁煙のアドバイスを受けることも一つの手です。
激しい運動
手術後の激しい運動も、ダウンタイム中には避けるべきです。運動を行うことで心拍数や血圧が上昇し、頭皮の出血や腫れを引き起こす可能性があります。
特に、ウェイトトレーニングやランニングなどの激しい運動は、手術後少なくとも2週間は控えることが推奨されます。
また、体を大きく揺さぶるようなスポーツ、例えばサッカーやバスケットボールのような接触スポーツは、頭皮に予期せぬ圧力をかけ、移植部にダメージを与えるリスクがあります。1カ月程度は避けた方が良いでしょう。
軽いストレッチやウォーキングであれば、術後1週間後から再開しても問題ありません。それでも、少しでも異常を感じた場合は運動を中止し、クリニックに相談することが重要です。
帽子やカツラ
移植された毛髪がしっかりと定着するまでの間、頭皮への圧力や摩擦を避けることが非常に重要です。そのため、術後すぐに帽子やカツラをかぶることは避けるべきです。
帽子をかぶることで、頭皮に過度な圧力がかかり、移植毛の定着が妨げられる可能性があります。
また、カツラの場合も同様です。通気性が悪く、蒸れやすいため、頭皮環境が悪化し、感染症のリスクが高まることもあります。
帽子をかぶる場合は、術後少なくとも1〜2週間経ってから、できるだけ緩く、頭皮に負担をかけない素材のものを選びましょう。また、かぶった後は、頭皮が蒸れないよう、清潔を保つことも忘れないでください。
カツラの使用については、医師の指導を仰ぎ、適切なタイミングで始めることが重要です。
植毛後いつから仕事復帰できる?
植毛後の仕事復帰のタイミングは、仕事の内容や個々の回復速度によって異なります。一般的にどのような仕事をしているかで復帰の目安が異なります。
具体的なケースを取りあげて説明します。
術後2日で日常生活に復帰できるケース
植毛の手術後、軽いデスクワークや負担の少ない日常生活であれば、術後2〜3日ほどで復帰することが可能です。
手術後の初日は、麻酔が切れた後の痛みや頭皮の腫れがあるため、安静にして過ごすことが推奨されます。しかし、2日目以降は痛みも徐々に和らぎ、多くの方が通常の生活に戻れます。
この期間中、頭皮に強く触れないように気をつけながら、軽い活動を再開することができます。
例えば、パソコンを使うデスクワークや電話対応など、体を動かさない仕事であれば問題なく行えるでしょう。外見的な変化が気にならなければ、このタイミングで復帰するのが一般的です。
見た目が気になる接客業や営業職の場合
接客業や営業職など、人と頻繁に会う仕事をしている場合は、もう少し時間をかけて復帰することが望ましいです。
手術後の数日間は、移植部位やドナー部分が赤く腫れたり、かさぶたが形成されたりするため、見た目に変化が現れます。特に、接客業や営業職では見た目が仕事に影響を与えることもあるでしょう。
少なくとも1週間から10日間はお休みを取ることをおすすめします。
この期間が経過すると、腫れや赤みもほとんど消え、かさぶたも自然に取れます。そのため、見た目に大きな影響を与えることは少なくなります。
また、帽子やウィッグでカバーする方法もあります。でも、これらは術後の頭皮に負担をかけるため、使用のタイミングについては医師に相談することが重要です。
肉体労働の場合
重い荷物を持つ、激しい動きを伴う肉体労働の場合、復帰にはより長いダウンタイムが必要です。手術後、頭皮が完全に安定するまでに少なくとも2週間、場合によっては1カ月ほどの時間が必要です。
体を激しく動かすと血流が増え、移植した毛根に影響を与えやすく、頭皮の回復が遅れる可能性があるためです。また、汗をかく作業環境では、感染のリスクも高まります。
清潔を保つことが難しい仕事の場合はさらに慎重になる必要があるでしょう。
医師と相談し、手術後の経過を確認しながら復帰のタイミングを決めることが大切です。完全に傷が癒えるまでは、無理に復帰を急がず、適切なケアを優先することが重要です。
まとめ
植毛手術後のダウンタイムは、回復期間の中で最も重要な時期です。この期間中、移植された毛髪が定着し、頭皮が正常に回復するためには、適切なケアと生活習慣の見直しが必要です。
手術後2〜3日で痛みは軽減し、軽いデスクワークに戻れるケースもあります。しかし、接客業や肉体労働の場合は、見た目や体への負担を考慮し、もう少し休息を取ることが推奨されます。
頭皮への刺激や過度な運動を避け、飲酒や喫煙にも注意し、ダウンタイムを安全に過ごすことが手術成功の鍵となります。
しっかりとしたケアを行うことで、術後の回復がスムーズに進み、理想的な結果を得られるでしょう。自分のペースで無理なく回復し、必要であれば専門医に相談しながら過ごすことが大切です。
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