この記事のポイントは?
1、円形脱毛症と爪甲点状陥凹の関係爪甲点状陥凹と円形脱毛症はどちらも免疫に関わる疾患で起きることがある症状です。爪甲点状陥凹は円形脱毛症と併発することもあるため、脱毛の初期症状いうイメージも持たれています。

2、軽微な爪の異常はセルフケアで改善できる
日々の保湿や食事内容、睡眠状況の改善で、軽微な爪の凹凸や異常であれば軽快することがあります。ただし、疾患が原因の場合は、その疾患の治療なくしては爪の状態は良くなりません。

3、爪甲点状陥凹を疑うときの受診のタイミング
爪の症状がひどいとき、変化が急なとき、円形脱毛症や風邪症状、だるさや痛みがあるときは早急に医療機関を受診しましょう。

爪は髪の毛と同じく体の末端部分です。

爪の状態を見ることで、円形脱毛症になりやすい体質かどうかを知ることができます。

そして、円形脱毛症の初期症状として爪に症状が現れることもあります。

円形脱毛症と爪の状態の関連性について説明します。

円形脱毛症の治療方法については以下の記事で詳しく説明しています。

この記事で説明する内容は?

円形脱毛症と手の爪の関係

爪

円形脱毛症に関係性がある爪の症状は、次のとおりです。

  • 爪甲点状陥凹(そうこうてんじょうかんぼつ)
  • 爪甲縦条(そうこうじょうじょう)
  • 爪甲横溝(そうこうおうこう)

それぞれについて説明します。

爪甲点状陥凹(そうこうてんじょうかんぼつ)

円形脱毛症の一番なりやすい爪の状態が「爪甲点状陥凹」です。

爪甲点状陥凹とは、爪の表面が点を打ったような形、または針で刺した後のようににへこんでいる状態をいいます。

ストレスなどによる免疫異常を原因として起こるとされています。

円形脱毛症も、免疫系の異常によって引き起こされます。

そのため爪のへこみと円形脱毛症は併発することが多く、日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン にも定められています。

爪にも変化をみることがあり,最も多いのは爪甲の小さな点状陥凹で,発症時や再燃時期に一致して横一列線状に並ぶこともある。

爪の表面が点状にボツボツ凹んでいる方は、円形脱毛症になる可能性が大きいかもしれません。

とはいえ、爪の状態だけでは円形脱毛症の危険性を知ることはできません。

あくまで参考程度に考えてください。

爪甲縦条(そうこうじょうじょう)

縦の凹凸がある爪の状態を「爪甲縦条」と呼びます。

爪甲縦条は、加齢と共に現れる症状なので、そこまで心配をする要因ではありません。

ただし、10代~20代の若い時に爪に凹凸がある場合は、栄養素がきちんと届いていない可能性があります。

女性が(男性でも同様ですふが)無理なダイエットを行っていることが原因で、爪甲縦条が生じることがあります。激しいダイエットは脱毛症の原因にもなるので注意が必要です。

最近増えている女性の円形脱毛症の種類と対策方法について、こちらの記事で解説しています。

爪甲横溝(そうこうおうこう)

爪に白い線が入り、凹んでいる状態も注意が必要です。

爪甲横溝は円形脱毛症以外にも、気管支疾患や神経系疾患にも関係性があると考えられています。

爪甲点状陥凹のセルフケアと予防と治療

爪甲点状陥凹をはじめとする爪の異常の治療は医療機関で行う必要があります。爪の疾患は素人目には似通っていて判断が難しいものです。一般的な爪の凹凸が気になる方向けのセルフケアをご紹介します。

セルフケアで爪の状態を整える

爪の凹凸は軽微なものであれば、日々のケアで改善を促すことができます。特に大切なのは保湿です。爪や爪の周りの乾燥を防ぐために、ハンドクリームや爪専用の保湿クリームを使ってケアしましょう。

爪の凹凸改善のための生活習慣

爪は健康状態を如実に表すバロメーターです。特にタンパク質や鉄分の摂取量が少ないと、爪の質は低下します。バランスの良い食事、質の良い睡眠、たっぷりの水分補給は爪の健康にも役立ちます。

洗剤によるダメージを防ぐために、食器洗いやお風呂掃除の際は必ずゴム手袋をすることも爪の健康を維持するのに大切です。

セルフケアをしても爪の凹凸が治らないとき

セルフケアや生活習慣の改善を試みても爪の状態に変化がなかったり悪化したりするときは、原因となる疾患が隠れていないか確かめる必要があります。乾癬、鉄欠乏性貧血、甲状腺に関わる疾患、免疫に関わる疾患など、爪に症状が現れる病気はいくつかあります。円形脱毛症との関連が指摘されるのもこのためです。

受診は爪以外の症状がなければ皮膚科、爪以外に吐き気や発熱、だるさなどの全身症状があれば内科がオススメです。

爪甲点状陥凹についてよくある質問

爪甲点状陥凹に関するよくある質問をまとめました。

爪甲点状陥凹は放置しても大丈夫ですか?

いいえ、爪甲点状陥凹は放置して良いものではありません。とくに急に爪に変化が起きた場合、他の症状(だるさや発熱、円形脱毛症等)が現れている場合は、他の重大な疾患が隠れていることがあります。爪の異常の原因を特定するために早期に医療機関を受診することをおすすめします。

皮膚科と内科どちらを受診するべきですか?

爪のみの症状であれば皮膚科の受診が、風邪症状、だるさ、どこかの痛みや腫れ、円形脱毛症など、爪以外の症状がある場合は、内科の受診が推奨されます。どちらにしても、医師が必要と思えば他の科への受診をすすめられるため、考えすぎる必要はありません。早く予約の取れるところ、通い慣れたところ、かかりつけ医などを選ぶと良いでしょう。

爪甲点状陥凹を疑うのが爪1本だけの場合は?

たとえ爪一つだけの症状であっても、普段と違って不安になるほどの変化であれば医療機関の受診が最善手です。特に、色や形がおかしいと感じた場合、急に変化が起きた場合、痛みを伴う場合、他の症状を伴う場合は早急に受診しましょう。

まとめ:円形脱毛症の治療方法

髪の状態と爪の状態は、健康状態に大きく関連しています。髪や爪は、体の外側にある角質化したタンパク質でできており、栄養素の欠乏やストレスなどの健康問題があると、髪や爪の成長や強度に影響を与えることがあります。

髪や爪の状態を見ることで、体の健康状態を把握することができるため、日常生活での注意が必要です。健康的な食事やストレス管理、適度な運動などを行い、適切なケアをすることで、髪や爪の健康を維持することができます。

日頃から髪や爪の状態を観察し、体の健康に異常がないかを確認し、必要ならば医療機関を受診することをお勧めします。